日本で加盟店数が国内最大規模を誇るJCBカード。
お財布の中に、「JCB」ブランドのクレジットカードが1枚は入っているという方も多いのではないでしょうか。
みなさんが使っているカードだからこそ、ローン返済に苦しむ方も多いはず。
今回は、JCBカードは任意整理できるのか、またその際の注意点や過払い金制度などについても合わせてお伝えしていきたいと思います。
目次
JCB(ジェイシービー)カードの特徴
JCBカードは日本で最初に発行された、日本企業による本格的なクレジットカードです。
また、アジア初の国際ブランドとして、アジア各国に加盟店を増やし、アジアではVISAやMasterCard並みの加盟店を誇っています。
日本でも加盟店数は国内最大規模を誇り、地方ではJCBカードしか使えない店もあるほどです。
そんな日本最大手のカード会社であるJCBのクレジットカードには、大きく分けて2種類のカードが存在します。
1.株式会社ジェーシ-ビーの発行するカード
(JCBカード、JCBゴールドなど)
2.他の信販会社が発行するカード
(セゾンカード、イオンカード、楽天カードなど、その他のクレジットカードにおける”JCB”を選択したもの)
1はカード名としての「JCB」、2は決済ブランド名としての「JCB」であると言えます。
ここでは、1.株式会社ジェーシービーが発行するクレジットカードや各種サービスを対象に、解説していきます。
また、2.JCBブランドのカードに関しても債務整理・過払い金請求は可能です。
どちらのカードを利用しているかによって交渉相手が違ってくるので、注意が必要です。
クレジットカードの裏面に発行元が記載されているので、まずはそれを確認してみましょう。
JCB(ジェイシービー)カードは任意整理できるのか
それでは、JCBのクレジットカードや各種サービスにおいて支払いが困難な場合、どのような解決方法があるのでしょうか。
まずは、自分の持っているカードを確認して、債務状況を整理してみましょう。
JCBカードには以下の3種類があります。
1.JCBカード、JCBゴールド、JCB CARD Wなどの個人向けカード
2.JCB法人カード、JCBゴールド法人カードなどの法人向けカード
3.JCB CARD LOAN FAITH(キャッシング専用のカード)
あなたは、キャッシングとショッピングどちらをメインで利用されていますか。
キャッシングの利用でもショッピングの利用でも、JCBカードは任意整理は可能です。
任意整理では、弁護士や司法書士を通じた交渉により、キャッシングの利息やショッピング手数料をカットし、月々の返済がしやすい金額へ変えていくことができます。
借金額が高額でないなら、最もリスクが低く手軽にできる任意整理を検討してみましょう。
カード会社ごとに任意整理に対する対応は変わってきます。
3年ほどの分割払いしか認めてくれないカード会社もあれば、10年近い分割払いを認めてくれるカード会社もあります。
以下は、かながわ総合法務事務所でJCBカードの任意整理をした際の対応例です。
①分割回数・1回の分割金
・約60~84回(5~7年)分割
・1回の分割金の最低金額は3,000円。
※債権額が小さい場合、回数は少なくなります。
※分割回数は収支状況によって異なってくるケースがあります。
②利息の免除
・経過利息・・・・・債権届書総額(元金+債権届開示までの利息付加)、取引短期などの場合、和解日までの利息を求められるケースも。
・将来利息・・・・・全額免除
※返済ごとに付けていた14~18%前後の利息が免除されます。したがって、返した分だけ残額は減ります。
「借り入れ額」「借り入れ開始時期」「他の利用カード」によって、任意整理で分割できる回数は異なります。自分は任意整理するとどうなるか詳しく知りたい方は無料3分診断をご利用ください。
JCB(ジェイシービー)カードを任意整理する方法
任意整理の手続きは、以下の手順で進められます。
1.司法書士や弁護士(以下代理人)にご自身で相談&依頼をします。
2.代理人は、JCBカードへあなたの代理人になった旨を介入通知として送付します。
3.JCBカードがあなたの過去の取引明細書を代理人に送付し、支払残高を確定します。
4.代理人は、利息制限法に基づいて引直し計算をし、過払い金の有無を調査します。
5.あなたの希望返済計画に沿って、JCBカードと和解交渉をします。
6. 交渉成立後、合意書(和解書)が作成されます。
7.和解書をもとに返済を開始します。
2.の時点から6.の合意まで、督促は無くなり、返済が一時的にストップしますので、その期間は生活を立て直す機会にしましょう。
一方で、任意整理を行うと、一定期間、信用情報機関に金融事故として登録されます。
いわゆるブラックリストに載るということです。
登録期間は約5~7年間ですが、ブラックリストに載ってしまうと、新規のクレジットカードの発行ができなくなったり、ローンの利用が制限されたりします。
→任意整理の流れと必要なもの|流れを事前に把握して不安を解消!!
→任意整理のデメリットは5つだけ|本当はデメリットじゃないことも??
→任意整理の費用はいくら?費用の相場を把握しておこう
任意整理すると今後はJCB(ジェイシービー)カードを利用できない
また、ブラックリストから登録が抹消されたとしても、再びJCBカードを利用することはできません。
クレジットカードを新たに作る際は、任意整理の対象にしなかったところを選択しましょう。
JCB(ジェイシービー)カードに過払い金は発生するのか
JCBで古くからキャッシングを利用していた場合には、過払い金が発生している場合があります。
過払い金があれば、さらに借金を減らすことができます。
過払い金とは、過去に高金利だった時代に払いすぎてしまった利息のことを言います。
任意整理では、過払い金が発生していれば過払い金の手続きも一緒に行っていきます。
過払い金があれば、現在の借金と相殺することが可能になるわけです。
JCBのキャッシングサービスには、キャッシング1回払い、キャッシングリボ払い、海外キャッシング1回払いの3種類があります。
JCBでは2007年まで、一括取引のみ27.8%という利息制限法を超える金利で取引を行っていましたので、過払い金の対象になるのは、2007年よりも前に一括取引を利用していた方となります。
リボ払いについては、18%以下の金利となっていたため、こちらについては過払い金が発生しません。
また、ショッピング枠を利用していた方については、そもそも利息制限法の対象外となるので、過払い金は発生しません。
→過払い金について詳しくはこちら
→リボ払いが終わらないなら任意整理|リボ払いから脱出したい人必見
JCB(ジェイシービー)カードに過払い金請求をしたら
話し合いで和解をした場合は、約3か月で過払い金は返還されます。
約60%~80%の返還割合で過払い金が返ってきます。
JCBから提案された過払い金の額や支払方法・期限に納得できない場合は、裁判をすることになります。
裁判をした場合は約4~9か月かかりますが、約70%~100%の返還割合で過払い金が返ってきます。
JCBの過払い金請求への対応は比較的良好なようです。
一方で、満額回収を目指すのであれば、訴訟を起こす必要がありそうです。
しかし、過払い金請求には、最後に取引した日から10年で時効が成立して手続きができなくなるという制度があります。
早めに司法書士や弁護士に相談をして、過払い金を調査してもらいましょう。
「借り入れ額」「借り入れ開始時期」「他の利用カード」によって、任意整理で分割できる回数は異なります。自分は任意整理するとどうなるか詳しく知りたい方は無料3分診断をご利用ください。
まとめ
・JCBは日本唯一の国際カードブランドで、日本で最も加盟店をもつカードの1つ。
・JCBが発行するカードと、JCBブランドで他の信販会社が発行するカードがある。
・発行元の会社によって任意整理・過払い金請求の交渉相手が違うので注意。
・任意整理が可能。(最長7年分割くらいまで)
・2007年以前にキャッシング1回払いを利用していた方は、過払い金請求ができる可能性が高い。