「任意整理に年齢制限はあるのかな?」
「高齢者に属する私でも任意整理はできるのだろうか?」
借金は気を緩めるといつの間にか雪だるま式に増えていく恐ろしいものです。
そんな時は任意整理が効果的ですが、年齢に関係なく任意整理をすることは可能なのでしょうか。
年齢が気になる方はこのあたりは知っておきたいポイントですね。
そこで今回は、任意整理と年齢の関係について解説していきます。
目次
任意整理に年齢は関係ある?
年齢を重ねてきた方々は、消費者金融などでの借金だけでなく、住宅ローンや自動車ローン、その他、お子様の教育ローンなどを抱えているケースも多くあります。
このように、多重債務で毎月の返済額が膨らんでしまった方で、且つ年齢を積み重ねてくると、働き口が限定されてしまったり、おまとめローンを検討するにしても審査が厳しかったりと、様々なハードルが出てきてしまうことでしょう。
しかし、そんな状況のあなたには、任意整理が最も効果的である可能性が高いと言えます。
まず、任意整理は年齢は関係ありません。
50代や60代で借金を大きくしてしまい、これから返済していくことを考えると絶望的な気持ちにながるかもしれませんが、50歳でも60歳でも、もちろん70歳以上でも問題なく任意整理を利用することは可能なのです。
実際に、高齢の方でも借金で困っている方は数多くいますし、その借金を任意整理で解決しているケースも多々あります。
このように、任意整理に年齢制限はありませんし、高齢だからという理由で司法書士や弁護士に断られることもありません。
そして、高齢に人ほど任意整理をすると過払い金を取り戻せる可能性もあり、うまくいけば借金をチャラにできる可能性さえあります。
未成年は任意整理できる?
高齢の方でも任意整理ができることはわかりましたが、未成年などの若い方はどうでしょうか。
まず大前提として、未成年の場合は親が同意しないと借金できないという決まりがあります。
貸金業法で、貸金業者が親の承諾を得ないで未成年者にお金を貸すことを禁止しているわけです。
つまり、もし未成年者が借金した場合は、その責任は未成年者や親にあるのではなく、貸金業者にあるということですね。
要するに未成年者にお金を貸すこと自体が違法なのです。
そのため、もし未成年者がした借金であるにも関わらず、貸金業者がしつこく取り立ててきた場合には、警察や弁護士に相談しましょう。
最終的には裁判所に対して行政処分や損害賠償請求を申し立てることで催促を止めることができます。
それでは、未成年が親に黙って勝手に借金をしていて返済不能になってしまった場合は、どうすればよいのでしょうか。
任意整理も可能なのでしょうか。
この点においても心配は無用です。
未成年が勝手に抱えた借金は、そもそも親の同意無しでは成立しませんので、たとえ親に黙って作った借金であっても契約を取り消す(無効にする)ことが可能なのです(名義が本人でも親名義でも取り消し可能)。
つまり、親に黙ってした借金であっても返済義務が生じないのでれば、任意整理をする必要がないということですね。
とは言うものの、借りたものは返す姿勢が基本です。
借金の契約が無効になったとしても、未成年者は「現に利益を受ける限度」で貸金業者に返還してくださいということになっています。
つまり、手元に残ったお金や、購入したものがあるのであればそれを返しましょうということです。
ちなみに、たとえ未成年の方でも以下のような方は成人として扱われます。
- 既婚者であったり、商売をしている場合(民法第753条)
- 未成年者であるにも関わらず、成人のふりをして借金をした場合(民法第21条)
これらに該当する場合は、成人として扱われるので借金の返済義務が生じてしまい、契約を取り消すことはできなくなりますので注意しましょう。
とは言うものの、未成年者が借金をしたケースでは返済義務が生じないことが大半です。
そのため、任意整理の出番は少ないかと思いますが、もし任意整理することなれば、いずれにしても親の承諾が必要なるでしょう。
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任意整理の完済までの道のり
任意整理は高齢者でも手続き可能、そして、未成年の場合はほぼ必要ないということがお分かりいただけたと思います。
とは言うものの、任意整理後の返済は心配になりますよね。特に年齢を重ねてきた方は、いつまで返済しつづければ良いかという点は気になると思います。
この点においては、任意整理はカード会社(消費者金融・銀行・クレジットカード会社)とあなたの和解によって成立する手続きであるため、ある程柔軟に決めていくことができるのですが、それでも、任意整理は基本的に3~5年以内に完済していくものとお考えください。※カード会社によっては5年以上の分割払いを受け付けるケースもあります。
つまり、任意整理は原則5年で借金問題を解決させるもの、ということですね。
とは言うものの、5年で返済計画がたたないほどの大きな額の借金を抱えている場合は、任意整理は難しいかもしれません。
(借金の額が大きい方は、個人再生や自己破産も視野に入れて検討してみましょう。これらの手続きは、リスクは高いものの、借金を最大1/5~1/10まで減額したり、ゼロにしたりすることが可能です)
任意整理は、利息や遅延損害金をカットして、元金だけを5年以内で返済していく手続きなので、例えばあなたの借金が480万円だとすると、480万円÷5年(60ヶ月) =8万円づつは最低でも返済していかなくてはなりません。
これで、もしあなたの年金が15万円だとすると、8万円の負担は大きすぎますし現実的ではないでしょう。
そのため、今抱えている借金の額と、年金や給与などの定期的に入る収入とを見比べ、て無理のない返済計画を立てる必要があるわけです。
このように、5年間、60回払いという期間をイメージすると、果てしない道のりに感じ自信を失うかもしれませんが、コツコツと毎月支払い続ければ、確実に完済というゴールに到達できます。
また、任意整理をしてから5年が経過すれば、再びカードを作ったり、利用することもできるようになりますし、気分を一新して新たな生活をスタートさせることができるのです。
返済期間5年というのは、思うより長い期間ではありません。
もし、あなたが年齢とともに借金を膨らませてしまったのでれば、任意整理をうまく利用して、今後の生活をよりよい方向に進めていくことが前向きな選択と言えるでしょう。
もちろん、残債が少なかったり、毎月の収入が多い場合には、5年ではなく、1年以内で完済してしまうことも可能です。
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任意整理は早ければ早いほど有効
前述したとおり、任意整理は原則5年をかけて返済していく手続きなので、早ければ早いことに越したことはありません。
年齢を重ねてくると、任意整理などの新たな取り組みに対して躊躇してしまうかもしれませんが、このような時間は無駄なものです。
過去を悔やんで現状維持をしていては、どんどん借金は膨らんでいっていくだけです。
挙句の果てには手の付かない状態になってしまうかもしれません。
そのような事態になる前に、5年後を見据えて任意整理をして無理の無い範囲で返済していき、5年後に安定した生活を取り戻すほうが建設的であることが間違いありません。
何もしなければ、5年後も同じ、またはもっと酷い事態になっている可能性もあります。
また、任意整理をするとブラックリストに載るというデメリットがあります。
ブラックリストに載る期間は約5年なので、任意整理を後に後に回していると、必然とブラックリストから削除されるときも遅くなります。
将来的に車を購入したり、住宅ローンを組むという人生設計がある場合は、少しでも早く任意整理をして、信用状態の回復時期を早めることの方が良いでしょう。
⇒任意整理のブラックリストを丸裸!ブラックリストの全容を大解剖
⇒任意整理は住宅ローンに影響するのか?
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まとめ
- 任意整理は高齢でも問題ない
- 未成年者が借金する際は親の同意が必要なので、任意整理の出番は少ない
- 任意整理は原則5年で返済していくため、行うなら早ければ早いほうが良い