「任意整理をすると、クレジットカードは使えなくなるの?」
「任意整理後、いつからクレジットカードは使用できるようになるの?」
任意整理をすると、借金にかかる将来利息をカットし、借金の総額を減額することができます。借金を整理するには有効な方法です。
ですが、その分デメリットもあります。あなたはブラックリストに載り、クレジットカードが使えなくなってしまいます。
新規でクレジットカードを作ることも、すぐにはできません。
しかし、心配しすぎる必要はありません。
ブラックリストは期間限定であるので、一定期間を過ぎると、またクレジットカードを使用できるようになります。
では、任意整理後、いつからまたクレジットカードは使用できるようになるのでしょうか?
この記事では、任意整理後、クレジットカードが使えない理由や、また使用できるようになるまでの期間などについて、詳しく解説していきます。
目次
今持っているクレジットカードは、原則使用できなくなる
任意整理をする前に持っていたクレジットカードは、その借金を任意整理する場合はすぐに使用できなくなり、任意整理をしない場合ではすぐに利用できなくなるケースと利用できているケースがあります。(カード会社次第)
クレジットカードを任意整理に含める場合
任意整理をするクレジットカードは、クレジットカード会社により強制的に解約され、再び同会社でカードを作るのは難しいと考えておいた方が良いです。
債務整理をした情報はずっと自社のデータベースに残り、俗に言う「社内ブラック」となるからです。
借金を減額してもらい、クレジットカード会社には迷惑をかけることになるのだから、仕方のないことかもしれませんね。
任意整理をしないクレジットカードの場合
一方で、今持っているクレジットカードの中で任意整理をしないクレジットカードであっても、しばらく経つと解約される可能性があります。
すぐにではなく、クレジットカード会社があなたのブラックリスト情報を入手したタイミングであるため、依頼してから約1~2週間であることが多いです。
特に、クレジットカードの更新時には、あなたのブラックリスト情報は必ずチェックされます。
クレジットカードには使用期限が設定されていて、その期限を超えて使用することはできませんが、この更新のタイミングで、あなたが任意整理をしたことがクレジットカード会社にバレます。
ブラックリストに載っていると、契約更新することができなくなり、クレジットカードが使用できなくなる可能性があります。
では、「ブラックリスト情報」とは一体何なのでしょうか?
次の項目で詳しくみていきましょう。
ブラックリストとは
クレジットカード会社は、あなたにきちんと支払う能力があるかどうか、事前に情報を得ておく必要があります。
これを「信用情報」と呼んでいます。
クレジットカード会社は、クレジットカードの作成や使用を許可するかどうか審査をする際に、この信用情報を利用しています。
この信用情報をクレジットカード会社全体で共有するシステムが、信用情報機関です。
信用情報機関には、CIC・JICC・KSCの3種類があり、それぞれに加盟している会社(クレジットカード会社、信販会社、消費者金融、銀行など)が異なります。
ブラックリストに載るとは、正しくは「信用情報機関に事故情報が登録される」ことを指します。
あなたが任意整理をすると、「借金やローンを利用しても、返済する能力がなく債務整理を行った」という事実が、クレジットカード会社全体に共有されるということです。
すると、支払い能力に疑問を持たれ、通常はクレジットカード会社に契約締結を拒否されてしまいます。
ですから、ブラックリストに載っているうちは、クレジットカードは使用できず、クレジットカードを新規作成しようとしても、ブラックリスト期間中は審査に通らないということになるのです。
クレジットカードの新規作成は5年後から
つまり、ブラックリスト期間中には、新たな借金はできず、審査に通らないためクレジットカードの新規作成もできません。
ですが、またブラックリストが明ければ、新たにクレジットカードは作成できるようになります。
これには、信用情報機関ごとに定められた、ブラックリストの登録期間が関係しています。
クレジットカードはいつから使用できる?
ブラックリスト情報を登録している期間は、信用情報機関によって違いがあります。
JICCとCICでは5年間、KSCでは10年間としています。
つまり、あなたが申し込むクレジットカード会社によって、情報を照会する信用情報機関が違うので、クレジットカードが新規作成できるまでの期間も変わってくるのです。
なるべく早くクレジットカードを作りたい場合は、KSCの会員でないクレジットカード会社を選びましょう。
KSCの会員は、主にアメックスや銀行系のクレジットカード会社です。
KSCでは、事故情報は最低でも10年間保存されています。
一方でJICCやCICの会員であるクレジットカード会社が発行するクレジットカードなら、最短で任意整理から5年経てば作成できる可能性があります。
ここで注意が必要なのが、複数の信用情報機関の会員になっているクレジットカード会社があることです。
各団体の会員は、信用情報機関のHPから確認できますので、クレジットカードを作りたい会社がKSCの会員でないかチェックしてみましょう。
以上をまとめると、最低でも5年間はクレジットカードが作れないと覚えておきましょう。
ただし、これらはあくまで最低期間です。実際には、1~2年前後する場合もあるので注意しましょう。
きちんと事故情報が消えているか、事前に信用情報機関に開示請求することもできるので、請求方法などを各HPで確認してみることをおすすめします。
クレジットカード払いをしている公共料金・家賃・携帯料金には要注意
任意整理でクレジットカードが使用できなくなると、もちろん、月々の支払いをクレジットカード払いにしている公共料金や携帯料金の支払いもできなくなります。
このような場合、支払い方法をあらかじめクレジットカード払いから口座振替やコンビニ払いなどに変更しておきましょう。
公共料金や家賃を滞納してしまうと、最悪の場合電気や水道が止められたり、家に住めなくなったりしてしまいます。
携帯料金も滞納が続くと、強制解約となり他社でも新規契約ができないという困った状況に陥りかねません。
あなたの大切なライフラインを守るために、クレジットカード払いを変更しておくことを忘れないようにしましょう。
→任意整理をしても携帯電話・スマホは使える?機種変はできる?
まとめ
・任意整理をすると、今持っているクレジットカードは、原則として使用できなくなる。
・ブラックリストに載ると、審査に通らないため、クレジットカードの新規作成はできない。
・任意整理後、最低5年でブラックリストから外れ、またクレジットカードが使用できるようになる。
・信用情報機関によって、ブラックリスト期間が異なり、クレジットカードが作れるまでの期間が異なる。
・クレジットカード払いをしている公共料金・家賃・携帯料金がある場合は、支払い方法を変更しておく必要がある。