任意整理と自己破産の違い|選択すべき基準は?

 

「任意整理と自己破産はどちらがいいの?」

「破産をせずに任意整理で解決もできるの?」

任意整理も自己破産も、債務整理の1つの方法です。

自己破産は今後の支払いをなくし、任意整理は「今後も支払いを行っていく」手続きです。

返済の効果は自己破産のほうが高いですが、その分任意整理よりもデメリットが多くなります。

大きなデメリットを避けて、「破産をせずに払っていきたい」という方には、任意整理は有効な手続きと言えるでしょう。

このページでは、任意整理と自己破産の違いについて説明していきます。

 

任意整理と自己破産の概要

任意整理は、あなたの借入先(消費者金融、クレジットカード会社、銀行など)と交渉を行い、その返済方法を見直す手続きです。

その効果は、任意整理後の利息や手数料の支払いを減らし、5年程度で返済できるようになります。

利息や手数料とは、今まさにあなたが毎月支払っているものであり、完済まで発生し続けるものです。

任意整理をすると、この支払いが無くなる分、返済が楽になるというわけです。

自己破産は、裁判所に申立てを行い、支払いの責任を免除(免責)してもらう手続きです。

簡単に言ってしまうと、自己破産は借金の支払いをなくせる手続きということです。

次に、細分化して任意整理と自己破産の違いを見ていきましょう。

自己破産について詳しくはこちら

任意整理について詳しくはこちら

任意整理と自己破産の詳細な違い

手続き方法での違い

・任意整理

利息や手数料をなくした、元本だけの返済を行う手続き。
(利用年数が短いなどの事情がある場合は、利息や手数料の減額にとどまる)


・自己破産

元金を含めた返済の免責を、裁判所に求める手続き。
自己破産の免責許可が下りると、一部の債権を除き、支払い義務が無くなる。

減額効果の違い

・任意整理

例えば、300万円を金利15%(1年)の利息やリボ手数料で支払っていると、300万円×15%=45万円の支払いが1年で発生します。

任意整理を行うと、この45万円の利息などの支払いがなくなります。

また、過払い金が発生している場合には、元金自体を減らすことが可能。

過払い金は、2007年以前から消費者金融やクレジットカードでお金を借りていた場合に、発生する可能性があります。


・自己破産

一部の特殊な債務を除き、カード返済や住宅ローン、車のローンなどの民間から借り入れた返済義務はなくなります。

つまり、支払いは一切なくなるということです。

養育費・損害賠償債務など、支払いを免責するのが適当でないものは除きます。

完済までの期間での違い

・任意整理

任意整理の返済は5年が目安です。

和解条件によって、短期の3年の場合や長期の6年~8年の場合もあります。


・自己破産

手続きに3~12ヶ月かかりますが、裁判所から免責許可を得た時点で返済義務が消滅します。

対象債務での違い

・任意整理

任意整理する借り入れは選べます。

住宅ローンや、保証人がいる奨学金、自動車ローンは対象外とすることが可能です。


・自己破産

住宅ローンや車のローン、奨学金も対象となります。

住宅ローンや車は換価処分され、奨学金は保証人へ督促されるようになります。

任意整理なら車を残せる

残存財産での違い

・任意整理

手元にある財産はなにも没収されません。


・自己破産

99万円以下の現金や20万円以下の財産、生活必需品は残せますが、それ以外は残せません。

周囲にバレるかどうかの違い

自己破産は、裁判所に申立てを行います。

そのため、以下の点で秘密にしにくいという理由があります。


①必要書類が多い

住民票、預金通帳や保険証券、給与明細、公的扶助を得ている場合はその証明書などが必要になります。

「配偶者が書類や家計を管理している」という理由で提出を拒否することはできません。


②自宅宛に郵便物が届かなくなる

破産手続きには、大きく分けて同時廃止事件・管財事件、という2種類の手続きがあります。

借入原因にギャンブルや投資(株・FX等)が含まれていたり、高額な財産があると管財事件になります。

管財事件の場合、一定期間は破産管財人宛に郵便物が送付されます。


③官報に掲載がされる

官報という国が発行する新聞のようなものに、住所・氏名が掲載されます。


奨学金など保証人がいる場合、

保証人に請求がなされます。保証人は親族の場合が多いので注意しましょう。

 

任意整理は、裁判所への申立ては不要のため、以上のようなデメリットはありません。

そのため、自己破産よりも、周囲や家族に秘密にできるメリットがあります。

ブラックリスト

・任意整理、自己破産

どちらの手続きを行っても信用情報に事故情報として記録されます。

(ブラックリストに載ることを指します。)


任意整理の場合は5~7年、自己破産の場合で5~10年はクレジットカードの使用ができなくなります。

ブラックリストに載ると、新たな借金や、クレジットカードの利用・新規作成が一切できなくなりますので、不便な生活になるかもしれません。

ただし、ブラックリストから外れると、以前のようなクリーンな状態に戻りますので、また借金やクレジットカードが使用できるようになります。

ブラックリストについて詳しくはこちら

仕事への影響による違い

・任意整理

特にありません。

就職・転職も問題ないですし、職場にバレることもありません。


・自己破産

手続きが完了するまでの間、警備員・保険営業・宅建士などの特定の仕事が出来なくなってしまいます。

職場にバレずに任意整理できる?

適用条件による違い

・任意整理

いくらの借金からや、何社以上の借金があれば等の決まりは法律上ありません。

しかし、元本を5年の分割で支払っていく資力は最低でも必要です。

例えば、300万円の借金なら、300万円÷5年(60ヶ月)=月5万円支払えることは必要というわけです。


・自己破産

支払不能の状態であること。

任意整理同様、いくらの借金という金額制限や、何社以上の借金があれば…等の決まりはありません。

年齢、職業、収入、財産、借金額等のトータルで、自己破産が認められるかは判断されます。

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まとめ

任意整理と自己破産では、「支払うものがあるか?ないか?」が大きな違いです。

任意整理は支払いを行う分、デメリットはブラックリストだけ。

一方、自己破産では、支払いを免れる分、財産を失うなどの大きなデメリットがあります。

自己破産では「支払不能(返済できない)」というものが重視されます。

そのため、まずは任意整理を検討し、任意整理が難しそうな場合には、自己破産を検討するといったイメージです。

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執筆者情報

司法書士・行政書士 山口 広樹
司法書士・行政書士  山口 広樹

横浜市出身で司法書士・行政書士15年目。
かながわ総合法務事務所の代表。
債務整理や過払い金請求を専門にし、累計の解決実績5000件以上。

・司法書士(神奈川県会2376号)
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