任意整理の目安は?目安は借金額ではない!!

借金額

これから任意整理を依頼しようと考えている人のなかで、「自分の借金額は任意整理できるのか?」という疑問がある人もいるでしょう。

結論からお伝えすると、”借金額がいくらだから任意整理できる”、”いくらだから任意整理できない”という決まりはないのです。

しかし、誰が誰でも任意整理ができるわけでなく、任意整理を検討すべき適切な目安というものがありますので、詳しく見ていきましょう。

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目次

任意整理に踏み切る目安は?

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まず初めに、借金が10万円ある方でも1000万円ある方でも、任意整理は可能ですので、任意整理は借金額に制限されることはありません。

それでは、どうなると任意整理すべきなの?という疑問が出てくるでしょうが、答えは、人それぞれ、ということになります。

例えば、年収300万円の人が100万円の借金を抱えている場合と、年収500万円の人が100万円の借金を抱えている場合では、収入額が異なるため、借金の負担度合が変わってきます。

また、収入額が多い方のほうが支払いに余裕があるようにみえますが、独身の方だった場合と、配偶者やお子さん等同居家族がいる場合とではまた収支のバランスが異なり、お金の使い方も大きく変わってくるため、一概に借金の額だけでは判断ができない部分があります。

このため、任意整理は、今かかえている借金の絶対額が目安にはならないのです。

任意整理に踏み切る目安は、大きく分けて3つ。

①毎月の返済額の殆どが利息で元本が一向に減らない

②毎月の支払いが生活を圧迫するほどキツイ

③すでに滞納している借金がある

このいずれかに当てはまる場合は、任意整理をするタイミングといえるでしょう。

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任意整理ができるかどうかは(収入-生活費)に依存

電卓

任意整理は、誰でも出来るわけではありません。

では、任意整理ができるかどうかは何を基準としたらよいのでしょうか。

それは、あなたの「収入-生活費」が目安となっています。

一か月の収支内容を元に、どれくらい支払いに充てられるかを基準として任意整理が可能か判断を行っていきます。

任意整理の効果は、将来利息のカットと返済計画に立て直しの2点になりますので、元本は返済をしていく必要があります。

具体的には、元本を5年前後で完済しなければなりませんので、【元本 ÷ 60】で計算された額を毎月支払えるだけの余裕が必要ということです。

例えば、あなたが300万円の借金をしていたとしましょう。

すると、300万 ÷ 60=5万、となりますので、毎月5万円を用意することができるか否かが、任意整理ができる基準となるのです。

借金300万円の任意整理の例

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任意整理をすると返済額をいくら減らせる?

借金

任意整理では、将来利息のカットと返済計画の見直しによって、毎月の返済額と借金総額を減額できますが、どれくらい減らせるのか、ここではモデルケースをみていきましょう。

借金が250万円の場合

会社員のAさんは現在以下の借金を抱えています。

・楽天カード キャッシング枠: 30万円
・楽天カード ショッピング枠 :70万円
・アイフル:40万円
・レイク:40万円
・モビット:70万円
→毎月の返済額:7万円
 
会社員Aさんについて
・社会人7年目男性
・賃貸マンションに一人暮らし
・奨学金返済月1万4千円
・病気療養のため毎週通院中

会社員のAさんは、病気のため業務負担の少ない部署へ異動となりましたが、その分給与やボーナスが減ってしまい、これまで返済できていた借金について返済が難しくなってしまいました。切り崩していた貯金も少なくなり、体調面から将来的にもこのまま仕事が続けられるか不安があったため、債務整理を依頼することにしました。

Aさんの収支状況

★任意整理前
【手取り給与:26万円】
▲返済額:8万円
▲賃貸:7万8千円
▲奨学金:1万4千円
▲水道光熱費:7千円
▲携帯代金:1万円
▲食費:3万円
▲雑費:1万円
▲交際費:1万円
▲医療費:3万円
———————————————-
▲合計:26万9千円

Aさんは毎月8万円を返済していますが、この返済金額だとどうしても貯金を切り崩す必要があり、家計が苦しいため、月々の返済額を5万以下へ抑えたいと考えていました。

★任意整理後
【手取り給与:26万円】
▲返済額:4万2千円
▲賃貸:7万8千円
▲奨学金:1万4千円
▲水道光熱費:7千円
▲携帯代金:1万円
▲食費:3万円
▲雑費:1万円
▲交際費:1万円
▲医療費:3万円
———————————————-
▲合計:23万千円

楽天、レイク、アイフル、モビットの全てが5年(60回払い)を受け付けてくれたため、任意整理の結果、Aさんの返済額は4万2千円となり、希望していた5万円より大幅に返済額を減らすことができたのです。

このように、任意整理をすると、毎月の返済額は現状の大体半分程度まで下げることが出来ます。

逆に、Aさんは、4万2千円を毎月用意できるだけの収支状況で無ければ、任意整理はできないことになります。

また、Aさんが任意整理をせずに完済に向かっていた場合、最終的に支払う利息はいくらになるかお分かりでしょうか?

おおよそ、70万円程が利息となります。

任意整理をすると、この70万円が減額されたことになるのです。

クレジットカードであれ、銀行であれ、お金を借りると必ず利息が発生します。

最近では公共料金の支払いでもクレジットカードが使用できるケース等も増えており、クレジットカードはますます便利になってきている反面、つい使ってしまい、気づくとあっという間に借金が膨れ上がってしまうということが少なくありません。

利息は支払い残高をベースに金額が決まり、この支払い残高が多ければ多いほど利息がつきます。

毎月支払っているのに、いっこうに支払い残高が減らないのは、この利息分の金額が上乗せされている分、元本の返済が進まないためです。

この状態で、いつものとおりに新たにクレジットカードを使用してしまうと、支払い残高がプラスとなり、結局支払い残高が減らないままとなってしまいます。

こうなってしまうと、元本分の返済額を増やさない限り、なかなか完済に向かえません。

元本分の支払い額を増やせる状況であればよいのですが、Aさんのように月の収支で赤字になっているようなケースの場合、返済額を増やすこと自体も難しいと考えられます。

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任意整理ができないケース

ばつ

ここまで任意整理を行うケースをみてきましたが、債務者の支払い能力等によっては任意整理ができないケースもあります。ここでは大きく分けて3つのケースをみていきます。

① 債務者に支払い能力がない場合

債務者の収入が少なすぎたり無収入だったりした場合、支払い能力がないと判断され、任意整理を断られる可能性があります。

これは、交渉し任意整理を行った後に支払いができる程度の収入があるかどうかが重要であるためです。

ただし、今後就業する(求職活動中)であれば受けてくれる事務所もありますし、前述のとおり、人それぞれの状況により任意整理後の支払い金額が変わるため、【元本÷60】をしっかりと意識するようにしましょう。

② 弁護士等の専門家が断る場合

依頼先の弁護士等があまり任意整理を扱っていなかった場合に断られるケースがあります。また、成功報酬が少ないと判断されたり、交渉がまとまる見込みがないと判断されたりした場合、弁護士都合として断られてしまうケースもあるようです。

③ 借入先業者が断る場合

任意整理は裁判所をとおさないため、自己破産のような強制力がなく、債務者と借入先業者の任意での交渉なので、借入先業者によっては交渉を断られてしまうケースがあります

こういう意味でも弁護士等に依頼したほうがスムーズに交渉がすすむと考えられます。

ただし、任意整理は債務者と借入先業者との任意での交渉となるため、たとえ弁護士等に依頼したとしても交渉や和解がうまくいくとは限りません。こういった場合は、個人再生や自己破産を検討する必要がでてくるでしょう。

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まとめ

・任意整理は「いくらからできる」という決まりはありません。
・任意整理に踏み切るタイミングを見極めましょう。
・【元本÷60】を毎月準備できる能力が無ければ任意整理できないでしょう。
・任意整理によって、毎月の返済額と完済時の総額を減額することが出来ます。

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執筆者情報

司法書士・行政書士 山口 広樹
司法書士・行政書士  山口 広樹

横浜市出身で司法書士・行政書士15年目。
かながわ総合法務事務所の代表。
債務整理や過払い金請求を専門にし、累計の解決実績5000件以上。

・司法書士(神奈川県会2376号)
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・行政書士(神奈川県会4407号)
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