任意整理ができないのはどんなとき!?

落ち込んでいる男性

「任意整理ができない場合ってある?」
「借金の借入期間が短いと任意整理できないって本当?」

任意整理とは、司法書士・弁護士がカード会社に利息免除・分割回数の組み直しなどを直接交渉できる制度です。

裁判所を通さずに行えるため、対象とする借金を自分で選ぶことができ、手続きも簡単で、多くの人に利用されています。

しかし、任意整理は誰でも、どんな場合でもできるというわけではありません。

利息を免除しても返済できる見込みのない人はもちろんできませんし、カード会社によっては任意整理を受け付けない方針を示しているところもあります。

本ページでは、任意整理を断られてしまうケースや、断られてしまった場合どうしたらいいのかについてご説明します。

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弁護士や司法書士に断られてできない

司法書士や弁護士には、任意整理を必ず受けなければらないという義務(受任義務)はありません。

そのため、あなたが依頼したとしても、断れられる可能性もあります。

任意整理の依頼を断られる理由としては、以下のようなことが考えられます。

<司法書士・弁護士が任意整理を断る理由>

・そもそも任意整理を受け付けていない
・任意整理後の返済額を、自己資金で用意できない
・依頼費用を支払わないなど、信頼関係が築けない
・あなたの希望した返済回数と可能な回数に乖離がある など

司法書士・弁護士事務所のなかには、任意整理そのものの依頼を受け付けていない事務所もあります。

その理由はさまざまですが、司法書士・弁護士が任意整理を専門としていないケースや、任意整理を受け付けても儲けが少ないので受け付けていないというケースが多いようです。

任意整理を依頼する際は、任意整理を専門としている、あるいは任意整理を行った実績のある司法書士・弁護士事務所を選ぶようにしましょう。

任意整理後の返済額を自己資金で用意できない

任意整理は、今後の利息(将来発生する利息)の免除と、毎月の返済額を下げるようカード会社と交渉する手続きです。

こういったメリットがある反面、5~7年は借入やクレジット(お買い物)利用ができなくなってしまうというデメリットがあります。

つまり、任意整理中は、借金に頼らずに返済額を用意することがポイントとなるわけです。

例えば、以下のような収支であれば、任意整理は問題ありません。

・手取り15万円 

・生活費(家賃・食費・水光熱費など)10万円

・任意整理後の返済額の見立て3万円

手取り15万円という自己資金の中から、借入をせずに生活費も返済額も用意できているからです。

なお、この「自己資金」というのは給料でなくても大丈夫です。

例えばお小遣いやご主人からの生活費などでも大丈夫です。

要は借入をしないで、自分が自由にできるお金のことを指しています。

親にバレずに任意整理できる?

反対に、以下のような収支ですと、任意整理はできません。

例)

・手取り15万円 

・生活費(家賃・食費・水光熱費など)10万円

・任意整理後の返済額の見立て8万円

手取り15万円から、生活費10万円+返済8万円を差し引くと、3万円の赤字になってしまいます。

こういったケースでは生活費を削減するか、できない場合は借入をして3万円の赤字を補填する必要があります。

任意整理は、生活の立て直しを図る手続き。

言い換えると、収支の黒字化を図り、借入ができない状況でも問題なく生活が成り立つようにする手続きです。

借入をしないと生活ができない状況の場合、それは任意整理ができないということ。

任意整理を行うとどこまで返済金額が下がるのか、下記から「名前・電話番号、メールアドレス」不要でその場で確認できます。

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信頼関係が築けずにできない

任意整理は、司法書士や弁護士があなたの収入・借金の状況・生活環境などプライベートなことを把握しなければ行えません。

そのため、あなたと司法書士・弁護士との信頼関係が非常に重要です。

収入や借金の状況を正しく伝えなかったり、必要な書類をなかなか提出しなかったりすると、司法書士・弁護士側があなたへの不信感をつのらせ、任意整理を断られる可能性もあります。

任意整理を依頼する際は正しい情報を伝え、書類の提出を滞らせないようにしましょう。

また、任意整理を行う際には、当然ですが司法書士や弁護士へ支払う費用が発生します。

任意整理を依頼する人のほとんどはお金に困った状態なので、多くの司法書士・弁護士事務所では、費用の分割支払いを認めています。

決められた期日までに決められた依頼費用が支払われないと、任意整理の依頼を断られたり、一度受任された場合でも、途中で辞任されてしまったりすることがあるので、費用の支払いは期日通りしっかり行うようにしましょう。

希望した返済回数と乖離があってできない

任意整理では、返済期間を延長し、毎月の返済額を低くすることが交渉できます。

借金をする際、多くのカード会社では3年払い(36回払い)で返済額を設定しますが、任意整理を行うことによって、利息免除のほかに返済期間を延長してくれるケースがあります。

支払期間を延長してくれるかどうかは、カード会社の方針によっても異なります。

多くのカード会社は5年払い(60回払い)への延長を認めてくれますが、3年払い(36回払い)から変わらないカード会社もありますし、約6年払い(70回払い)や約8年払い(80回払い)など返済期間の大幅な延長を認めてくれるカード会社もあります。

司法書士・弁護士は、予めどのカード会社がどれくらいの返済期間の延長を認めてくれるかということを把握していますので、あなたの希望する返済期間と、そのカード会社の認める返済期間に大きな乖離があれば、依頼の段階で任意整理を断られる可能性があります。

たとえば、アメリカン・エキスプレス・カードからの借金は、任意整理を行っても返済期間の延長を認められず、3年払い(36回払い)での完済を求められることが多いです。

あなたがアメリカン・エキスプレス・カードからの借金を任意整理する際、「どうしても5年払い(60回払い)で和解したい」と希望した場合、司法書士や弁護士から依頼を断られる可能性が高いでしょう。

カード会社が交渉に応じずにできない

司法書士や弁護士が任意整理の依頼を受けてくれたとしても、カード会社が任意整理の交渉に応じてくれないケースもあります。

現在の状況では、任意整理に全く応じないというカード会社はほとんどありませんが、場合によっては断られることもありますので注意しましょう。

以下では、カード会社に任意整理を断られる可能性についてご紹介します。

<カード会社に任意整理を断られるケース>

  • 任意整理の対象が闇金業者だった
  • 個人でカード会社と交渉
  • 借入期間が短い場合や借り入れから一度も返済をしたことがない
  • 同一カード会社に対し2度目の任意整理
  • カード会社が差し押さえできる権利を既に持っている

任意整理の対象が闇金業者だった場合

闇金業者とは、カード会社などが持つ「貸金業」の免許を取らずに、お金の貸し借りを商売として行っている業者のことをいいます。

闇金業者はもともと法律に違反した業者なので、任意整理の交渉に応じないどころか、任意整理をした段階で催促が悪化するケースもあるといいます。

通常、任意整理はご家族や職場にバレずに行うことが可能ですが、任意整理に闇金業者を含めることで、闇金業者が逆上し、あなたの家族や職場へ催促したり、自宅に嫌がらせを仕掛けてくるケースもあります。

闇金業者からは借金をしないことが第一です。

しかし、すでに闇金業者から借金をしており、返済に困っているのであれば、司法書士や弁護士ではなく、警視庁の相談窓口などで相談されることをおすすめします。

個人でカード会社と交渉する場合

任意整理は司法書士・弁護士に依頼して行うことが一般的ですが、実はあなた自身が交渉を行うというということも可能です。

「自分で任意整理の交渉をすれば、司法書士・弁護士に払う費用が要らないから節約になるのでは?」と思う人もいるかも知れません。

しかし、「司法書士・弁護士などの法律のプロからの交渉でなければ応じない」というカード会社がほとんどですので、個人での交渉は覚悟が必要です。

なぜなら、基本的にカード会社は債務者(あなた)の言うことを信じていないからです。

また、仮にカード会社が個人からの任意整理の交渉に応じた場合でも、あなたの希望通りに和解が進まないケースや、交渉が決裂してしまうケースが多いです。

任意整理を行う際は、費用をかけてでも司法書士・弁護士に依頼したほうがよいでしょう。

借入期間が短い場合や借り入れから一度も返済をしたことがない場合

借金をしてから任意整理に踏み切るまでの期間が短すぎたり、借り入れから一度も返済せずに任意整理を行ったりすると、カード会社が任意整理を認めない可能性があります。

そもそも、お金を借りるということは「利息をつけて期日までにきちんと返すことを約束する」ということです。

それなのに、借りたお金をほとんど返さないうちに任意整理を行われてしまったら、カード会社としては「はじめから借金を返すつもりがなかったのでは?」「これは詐欺ではないか?」と疑います。

そのため、このような人が任意整理を行っても、カード会社がその交渉に応じず、当初の約束通りの全額返済を求められる可能性が高いのです。

なお、借入期間が短すぎたり、一度も返済していなかったりすると、任意整理だけでなく、個人再生・自己破産も認めてもらえない可能性が高まります。

そのため、借りたばかりの借金を返済できなくなったときは、少しでも返済実績を作ってから債務整理に踏み切ることにしましょう。

どれくらいの債務実績が必要なのかはカード会社ごとに異なります。

一例としては、

  • プロミス、アイフルなどの消費者金融は1年以上
  • ニコス、楽天カードなどの信販(クレジットカード)会社は半年以上

ただし、アコム、モビットは返済期間の長さに応じて分割回数を飲む傾向があったりと、各カード会社ごとに細かい特徴は異なります。

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同一カード会社に対し2度目の任意整理である場合

同一のカード会社に2度目の任意整理を検討する場面は、以下の2つがあります。

①1度目の借金を任意整理して完済し、そのあと新規で再契約して2度目の借入をしている場合

②1度目の借金を任意整理して返済している途中にその返済額が払えなくなってしまった場合

過去に任意整理をしたことのあるカード会社から再び借金をすることは難しいため、ほとんどのケースで2度目の任意整理というのは②を指しています。

そして、2度目の任意整理は1度目以上に理由が重要になるという認識を持っておいてください。

“理由”とは、1度目の任意整理の金額が払えなくなってしまった”理由”のことです。

これまでに2度目の任意整理ができた例としては以下があります。

①病気で1度目の任意整理のときより収入が下がってしまった
②コロナ禍で1度目の任意整理のときより収入が下がってしまった
③本当にうっかりしていて返済期日を過ぎてしまい、一括請求状態になってしまった
つまり、基本的には①②のように、1度目の任意整理のときには想定していなかった事態が起きてしまったため、2度目の任意整理をしていく、というスタンスなわけです。

ただし、③のようなケースでも2度目の任意整理は可能です。

任意整理後は、基本的に、2回返済が滞ると残金が一括請求されてしまう状態となります。

しかし、残金にもよりますが、カード会社も一括払いができるとは思っていませんので、本当にうっかりしていて…ということを説明すれば2度目の任意整理に協力してくれる場合はほとんどです。

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任意整理ができない時の対処法

以上のようなさまざまな理由で任意整理ができそうもないとき、個人再生や自己破産という裁判所を利用する手続きを検討します。

個人再生を検討する

個人再生とは、裁判所が認めた場合に利用できる債務整理の一つで、基本的に借金を5分の1程度に減額できる可能性があります。

また、「住宅ローン特則」という制度を利用すれば、住宅ローンだけを債務整理の対象から外すことができるため、持ち家を残して借金の負担を軽減できます。

ただし、住宅ローン以外の除外はできませんので、車ローン・奨学金など保証人付きの借金も裁判所に申請しなければなりません。

つまり、車は引き上げとなり、保証人への請求もなされてしまいます。

なお、ブラックリスト入りする点は任意整理と変わりません。

自己破産を検討する

自己破産とは、借金を全額免除してもらうよう裁判所に申し立てを求めていく手続きです。

裁判所から承認が下りた場合の効力が大きいぶん、以下のようにさまざまなペナルティが生じます。

<自己破産によるペナルティ>

10年間のブラックリスト入り(クレジットカードの作成・使用、ローンの新規契約などができない)

  • 時価20万円以上の財産の没収(住宅・自動車・その他高級品など)
  • 手続き中の職業制限(士業・警備員などの職業が一時的にできない)
  • 引っ越し・海外旅行の制限(行う場合、裁判所からの許可が必要) など

自己破産は、借金解決策の最終手段ともいえます。

ペナルティも大きいですが、「借金を圧縮しても完済できない、借金をどうすることもできない」という人に適した債務整理といえるでしょう。

任意整理ができないとなる前に早めに一歩を踏み出そう

借金は、一度借りて返す自転車操業状態に陥ってしまうと、時間が経過してもなかなか減らないばかりか、むしろ増加する傾向がほとんどです。

なぜなら、高額な利息によって借金がいつまでも減らない間に出費が発生し、「借入⇒返済⇒借入」という負のサイクルが積み重なってゆくからです。

このサイクルを断つには、利息の免除を行って、借金を完済できるまでの明確なゴールをつくることが重要です。

そのため、任意整理で手を打てる段階で解決してしまうことをおすすめします。

また、「司法書士・弁護士事務所で任意整理を断られた」というときは、いくつかの司法書士・弁護士事務所で相談してみるのもよいでしょう。

任意整理の依頼を受けてくれる事務所が見つかるかもしれませんし、その他の債務整理を提案してくれる事務所もあるはずです。

「借金に困り、どうしたらいいかわからない」と感じたら、早めに司法書士・弁護士事務所に相談することをおすすめします。

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まとめ

司法書士・弁護士が任意整理を断る理由
・専門外などでそもそも任意整理を受け付けていない
・任意整理後の返済額を、自己資金で用意できない
・依頼費用を支払わないなど、信頼関係が築けない
・あなたの希望した返済回数と可能な回数に乖離がある など

カード会社に任意整理を断られるケース
・任意整理の対象が闇金業者だった場合
・借入期間が短い場合や、借り入れから一度も返済をしたことがない場合
・同一カード会社に対し、2度目の任意整理を検討する際に、明確な理由がない場合

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執筆者情報

司法書士・行政書士 山口 広樹
司法書士・行政書士  山口 広樹

横浜市出身で司法書士・行政書士15年目。
かながわ総合法務事務所の代表。
債務整理や過払い金請求を専門にし、累計の解決実績5000件以上。

・司法書士(神奈川県会2376号)
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・行政書士(神奈川県会4407号)
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