「借金のことを親にバレるわけにはいかない」
「任意整理したことが親にバレると心配をかけてしまう」
借金の返済が苦しく、任意整理を検討しているという方の中には、学生の方や、実家暮らしをしているという方もいます。
そのような方の多くは、多額の借金を抱えてしまったこと、任意整理をしていることなどを、親にバレたくないと感じています。
任意整理といえば、裁判所を挟まないので、家族や会社にバレずに進められることが特徴。
しかし、そんな任意整理でも、親バレのリスクが完全にないというわけではありません。
今回は、親にバレずに任意整理をしたいという方のために、任意整理に潜む親バレのリスクや、任意整理で気をつけることについて紹介していきます。
目次
任意整理で親バレするリスクは高い?低い?
そもそも、任意整理で家族や会社にバレるということは、自分の不注意以外ではまずないでしょう。
ですから、「任意整理で親バレするリスク」はとても低いと言えます。
その理由を簡単に説明します。
任意整理以外での債務整理手続き(個人再生や自己破産)では、裁判所が介入します。
すると、債務者が裁判所に出頭する必要が出てきたり、官報(誰でも閲覧可能な国が発行している新聞)に名前が記載されるため、親にバレる可能性があります。
このように、裁判所が絡むと、親バレしてしまう可能性がでてきますが、任意整理では裁判所が絡まないためバレる心配がありません。
債権者(消費者金融やクレジットカード会社)からの通知もすべて司法書士・弁護士が代理で受け取るので、任意整理に関する通知や書類を家族に見られるということもありません。
次に、個人再生や自己破産では、債務者(借金をしている人)の世帯収入が調べられることがあります。
その場合、例えば学生の方であれば、親の給与明細が必要になりますし、あなたが世帯主で無ければ、世帯主である親の給与明細が必要になります。
債務整理をしているということを隠しつつ、親に給与明細を貰うというのは至難の技でしょう。
とうぜんここも、親バレのポイントとなってきます。
しかし、任意整理なら家族の給与明細が必要になるということはありませんので、親バレする可能性はきわめて低いと言えるでしょう。
⇒任意整理とは何かを詳しく解説!!
⇒家族にバレずに任意整理できる?
⇒学生でも任意整理できるのか?
⇒任意整理と個人再生の違い
⇒任意整理と自己破産の違い
任意整理で親バレしてしまう可能性のあるポイント
任意整理で親バレしてしまうというケースは稀ですが、ないということもありません。
それでは、任意整理で親バレしてしまう可能性を探ってみましょう。
まず考えらるのが、司法書士・弁護士に頼らず、自分で任意整理をしようとしたパターンです。
司法書士・弁護士に依頼すると、依頼費用がかかりますから、それを嫌って自分で行う方がいます。
しかし、司法書士・弁護士に依頼しないということは、債務者自身が債権者と直接交渉するということになりますから、当然債権者から自宅に連絡がきます。
親と同居しているという方は、債権者からの通知で親バレしてしまうことになるでしょう。
親バレをせずに任意整理をしたければ、司法書士・弁護士に依頼した上で手続きを行うことが必須となります。
※任意整理の手続きを自分でした場合は、そもそも債権者に相手にされないのでおすすめはしません。
もう一つ考えられるのが、司法書士・弁護士とのやりとりを見られてしまうというパターンでしょう。
任意整理をする上では、司法書士・弁護士との電話やメール、手紙でのやりとりは避けられません。
これを同居している親に見られてしまうと、任意整理をしているということがバレてしまいます。
しかしこれも、あらかじめ司法書士・弁護士に、親バレしたくないという旨を相談しておけば、連絡先を携帯だけにしたり、郵便でのやり取りを避けたりという対策が可能になります。
また、任意整理関係の書類を見られるというのも親バレのパターンとして考えられます。
特に、報告書や和解合意書といった、手続き後に手元に残る書類からバレる可能性が高いでしょう。
しかし、だからといってこれらの書類をむやみに捨ててしまうというのは危険です。
司法書士・弁護士と相談し、手元に残しておく書類とそうでない書類をきちんと決めた上で、手元に残ったものは厳重に保管しておきましょう。
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親バレせずに任意整理をするコツ
ここまで、任意整理で親バレしてしまうパターンについてご紹介しました。
ではここから、任意整理で親バレを防ぐコツを考えていきましょう。
まず、「債権者からの通知でバレる」というパターンですが、先述の通り、司法書士・弁護士に依頼するという以外に防ぐ方法はないでしょう。
そもそも、専門家に依頼せずひとりで解決しようとすると、任意整理自体が失敗します。
任意整理では、債権者と債務者(通常はその代理の司法書士・弁護士)が交渉するわけですが、この交渉は大変なノウハウを要します。
経験や法的知識が乏しい状態で債権者と交渉しても、まともに取り合ってもらえません。
ですから、任意整理をする際は、必ず司法書士・弁護士に依頼して行いましょう。
次に、「弁護士とのやりとりでバレる」というパターンですが、これは連絡先に自宅を設定しないということで避けられます。
連絡の取り方自体も、司法書士・弁護士との相談で柔軟に対応してもらえるものです。
連絡は携帯だけにしてもらうということを、あらかじめ取り決めておけば問題ありません。
最後に、「和解後の書類からバレる」というパターンです。
任意整理に関する書類で、不要な書類は処分し、それ以外は見つからないような場所に保管する、というのが最大の解決策でしょう。
ただし、さきほども述べた通り、和解後の書類をむやみに処分してしまうと、後々トラブルの原因にもなりかねません。
カード会社と取り交わした和解契約書は取っておくようにして、どうしても処分したい場合はスマホなどで写真を撮って内容がわかるようにしておくようにしましょう。
任意整理のデメリット
さて、任意整理で親バレしないようにするポイントをご紹介しました。
最後に、任意整理のデメリットについて。これは1つだけあります。
「5年~7年間、ブラックリスト状態になる」
任意整理を行うとカード会社は、信用情報と呼ばれる共有情報に、一種の事故情報を登録します。
この状態が、いわゆるブラックリストとなっている状況を指します。
ブラックリスト状態になると、5年~7年間、新たな借金やクレジットカードの利用・新規作成ができない可能性が高くなります。
可能性が高い、と表現が曖昧になってしまうのは、各カード会社が与信審査の基準を公開していないからです。
ただし、カードが使えるかもしれない、という前提で収支を設計するのは禁物です。
なぜなら、カードというのは日突然、利用限度額が減額される、新規利用が出来なくなる、などの事態が普通に起こるからです。
従って、任意整理を行う場合、5~7年間は、借金やクレジットカードに頼らないでも生活できる収支状況をつくることが重要でしょう。
また、ブラックリストについて、よく頂くご質問として以下3つがあります。
「親もブラックリストになりますか?」
「親が持っているカードも使えなくなりますか?」
信用情報は、ご本人しか影響はしません。親がブラックとなることは一切ありませんのでご安心ください。
⇒ブラックリストについて詳しくはこちら
⇒任意整理のデメリットは5つだけ|本当はデメリットじゃないことも??
⇒任意整理をしても携帯電話・スマホは使える?機種変はできる?
⇒車を残して任意整理はできる?
任意整理をする方がむしろ親バレしにくい
任意整理を司法書士や弁護士に依頼をすると、司法書士や弁護士は直ぐに債権者に対して『受任通知』を送ります。
受任通知とは、債務者(あなた)の代理人になる旨を債権者に伝えるものであり、受任通知には、債権者が債務者に直接連絡を取ることを禁じる効果があります。
任意整理を検討している方で、既に滞納していて督促が来ている方も少なくはありません。
借金は、1ヵ月程滞納すると、頻繁に債務者の携帯電話・自宅への電話やハガキで督促をしてきます。
つまり、督促電話やハガキが自宅に来ると、借金をしていることへの親バレは避けられません。
しかし、受任通知によってこの督促は全てストップさせることができますので、任意整理することによってむしろ、借金していることさへも親バレすることを防ぐことにもなるのです。
今まさに督促が来ていたり、今月の支払いが難しそうだと感じたら、いち早く任意整理をすることによって親バレから逃れることができるということです。
⇒任意整理の手続き期間と任意整理後の返済期間はどれくらい?
⇒任意整理の流れと必要なもの|流れを事前に把握して不安を解消!!
⇒任意整理の費用はいくら?費用の相場を把握しておこう
「どのカード会社から」「総額いくら」「いつから」借り入れているかによって、任意整理によって分割できる回数は変動します。自分は任意整理するとどうなるか詳しく知りたい方は無料3分診断をご利用ください。
まとめ
任意整理で親バレするということはまずありません。
しかし、可能性が完全にないというわけではないので、あらかじめ対策を講じる必要はあるでしょう。
親バレする可能性があるのは、『自分で任意整理をした場合』、『依頼事務所とのやり取りを見られた場合』、『報告書や和解合意書を家にほったらかしにして親に見られた場合』、『ブラックリストによって制限された生活スタイルの急な変化』の4つくらいです。
しかし、これらは全て自分が注意をしていれば防げることですので、任意整理によって親バレするときは自分の不注意に限るでしょう。
また、借金は放置すると、任意整理で解決できなくなってしまい、親バレのリスクの高い選択肢を選ばざるを得なくなってしまいますので、返済が苦しいと感じたら、一刻も早く司法書士・弁護士に相談しましょう。