『一部の借金だけ任意整理は可能なの?』
『車を手放さずに債務整理したい』
借金の種類は、
- カードの借金
(銀行・消費者金融・クレジットカード会社) - 車のローン
- バイクのローン
- 奨学金
- 親に借りたお金
- 会社から借りたお金
など、実にバリエーションが多いわけです。
任意整理は、〝任意整理をしたい一部の借金だけ行う〟なんてことも可能です。
目次
任意整理の対象から除外されることが多い借金
任意整理から除外されることが多い借金にはこんなものがあります。
☆ 住宅ローン ☆ 給与口座になっている銀行口座 ☆ 車のローン ☆ バイクのローン ☆ 奨学金 ☆ 親や兄弟姉妹、友人に借りた借金 ☆ 会社からの借金 |
任意整理は裁判所を関与させないで行えるので、ある程度融通が利く…と言えば分かりやすいかもしれませんね。
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産と複数の方法がありますが、この中で一部の借金だけを債務整理できるのは任意整理だけなのです。
個人再生と自己破産は基本的に全ての借金が対象となるので、車もバイクも全て巻き込んで借金を整理していくのです。
(住宅ローンだけは個人再生では特則があり)
一部の借金だけ任意整理をできるということは、『車のローン』『家のローン』『保証人付きの債務』を整理の対象から全て外せます。
職場に車でしか行くことができない人は、車のローンは任意整理の対象から除くことができます。
20年前に購入した家のローンが後5年で払い終わるというときに、家を売り払わなくてもいいのです。
親が保証人となっている奨学金を対象から除外すことによって、親にバレる心配もありません。
⇒任意整理とは何かを詳しく解説!!
⇒奨学金は任意整理できる?
⇒任意整理は住宅ローンに影響するのか?
一部の借金だけ任意整理を行った例
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上記の場合、A社とB社とC社を任意整理の対象として、残りは外すことができます。
D銀行が会社の指定給与口座で、これ以外の銀行に変更するのが難しい場合にはD銀行を任意整理から外します。
(D銀行以外の銀行に指定できるなら、D銀行を任意整理することも可能です)
車のローンのG社も、車をこれからも乗りたいのであれば任意整理から外します。
(車がいらないなら、G社を任意整理することも可能です)
住宅ローンのH銀行は、もちろん任意整理から外します。
このように、それぞれの生活に合わせて一部だけ借金整理を行うことができるのが、任意整理が優れているところです。
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一部の借金の任意整理が推奨されているわけではない
任意整理を含む債務整理にについて調べていると「債権者平等の原則」という言葉を見かけた人がいるのではないでしょうか。
これは、全ての債権者を平等に扱わなくてはならないということなのですが、一部のカードだけで任意整理を行うと以下の2パターンの債権者が存在することとなります。
- 利息をカットし長期の返済契約に切り替えられる債権者
- 当初の契約通りのままの債権者
この場合2つの債権者は不平等となるため「債権者平等の原則」に反することになります。
つまり、一部の借金だけを整理することを任意整理でも推奨されているわけではないということは注意しましょう。
〝裁判所が介在しない〟
〝家がなくなったら住むところがない(だから住宅ローンは外す)〟
〝車がなくなると仕事に行けない〟(だから車のローンは外す)〟
という、やむを得ずに対処するという感覚で、一部のカード(債務)だけでの任意整理は可能となるのです。
でないと、不平等側の債権者が納得しないですからね。
一方で、自己破産や個人再生は、裁判所を介するため、「債権者平等の原則」に必ず則りますので、全ての借金が対象になります。
ですので、任意整理は、一部の借金だけを整理対象にすることを推奨はされてはいませんが、逆に言い換えると、強みであるとは言えるでしょう。
一枚でもカードを任意整理すれば全部のカードが使えなくなる
最後に、よくある質問として、「持っているカード4つのうち3つを任意整理対象とし、1つは今後もカードを使うために残しておけますか?」
がありますが、任意整理に入るとすぐにではないですが、その残しておいたカードも使用できなくなるため、あまり残しておく意味はないでしょう。
クレジットカードには「継続審査」というものがあり、利用者を定期的にチェックしています。
1つのカードでも任意整理を行うと、全てのカードにブラックリストの効果が及ぶので、そのタイミングで全てのカードは利用停止となります。
補足にはなりますが、クレジットカードについているポイントは任意整理をすると、それまで貯めていたポイントは使用できなくなります。
ポイントはあくまでクレジットカードの特典ですので、任意整理をした人にポイントは認めないというのがカード会社としての見解のようです。
せっかく貯めたポイントなので任意整理前には使い切っておきましょう。
⇒ブラックリストについて詳しくはこちら
⇒任意整理のデメリットは5つだけ|本当はデメリットじゃないことも??
⇒任意整理の費用はいくら?費用の相場を把握しておこう
⇒任意整理の手続き期間と任意整理後の返済期間はどれくらい?
⇒任意整理の流れと必要なもの|流れを事前に把握して不安を解消!!
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まとめ
任意整理は、裁判所を介する必要が無いということから、一部の借金だけを整理対象にすることが出来ます。
しかし、「債権者平等の原則」があるため、推奨されているわけでは無いことは理解しておきましょう。
そのうえで、個人再生や自己破産では、強制的に全ての借金が対象になりますので、一部の借金だけを対象にできる任意整理は、使い勝手が良いと言えるでしょう。