「任意整理の具体的な減額例を知りたい」
「任意整理で減額できる仕組みを知りたい」
債務整理の中でも最も利用されている任意整理。
任意整理は、裁判所を利用せずに、司法書士や弁護士がカード会社(クレジットカード会社、消費者金融、銀行)と直接減額交渉を行うので、家族や職場に知られることなく行うことが特徴です。
裁判所が介さないのであればそんなに減額できないのでは?
こんな声も聞こえてきそうですが、任意整理をすると実際にどれくらいの減額が見込めるのか解説していきましょう。
目次
任意整理で減額できるのは?
任意整理で減額が期待できる要素は大きく分けて2つ。
今後元金を完済するまでに払う未来の利息総額(将来利息分)と、過去に払い過ぎていた利息がある場合それを取り戻すもの(過払い金分)の二つです。それぞれ詳しく説明していきましょう。
将来利息のカットで毎月の返済額を減額
将来利息とは、何も行わずに現状のまま返済を続けていくと完済まで発生し続ける利息のこと。
この将来利息がカットできるということは、今後一切利息がかからないとういうことなので、あなたの借金返済額を大幅に減額することができるのです。
例えば、あなたに200万円の借金があるとしましょう。
仮に金利を15%として、5年(60回)で返済しようとすると、月々の返済額は4.8万円となり、返済総額は約285万円になります。
当然、285万円の内の85万円は利息ですので、任意整理をするとこの85万円をカットすることができるのです。
借金返済に苦しんでいる場合によく耳にするのが、「一向に借金の残金が減らない」というケース。
このようなケースでは、現在支払いをしている利息の免除ができる将来利息のカットが非常に効果的。
任意整理で現在負担している利息を無くしてもらえば、確実に元本を減らすことができ、着実に完済に向かうことができるのです。
過払い金があれば元本も減額
任意整理では、過払い金の計算を同時に行います。
過払い金とは、過去に利息制限法という法律で定められた以上の利息を払っていた場合、その払い過ぎていた利息分のことを言い、2007年以前から借金をしている場合には過払い金が発生している可能性があります。
任意整理の手続きでは、この過払い金がいくらあるかを計算し、払いすぎていた分、借金の返済に充てることができます。
なかには、過払い金の計算によって借金がゼロになったり、余分にお金が戻ってきたりするケースもあります。
まとめますと、任意整理を行うと、
「将来利息がカットでき、元金を払えば完済できるようになる」
「過払い金があれば、元金自体も減らせたり無くせるケースがある」
ということです。
⇒任意整理について詳しくはこちら
⇒任意整理の手続き期間と任意整理後の返済期間はどれくらい?
⇒任意整理の流れと必要なもの|流れを事前に把握して不安を解消!!
⇒過払い金対象者とは?過払い金が発生するケース!
「どのカード会社から」「総額いくら」「いつから」借り入れているかによって、任意整理によって分割できる回数は変動します。自分は任意整理するとどうなるか詳しく知りたい方は無料3分診断をご利用ください。
任意整理の具体的な減額例
先ほども確認した通り、任意整理で減額できるのは、将来利息+過払い金です。
2007年以降から利用を始めた方や、クレジットカードのショッピング利用、銀行のカードローンを整理する場合は、過払い金発生の可能性がないので、将来利息のカットのみとなります。
では、実際どの程度返済額が減額されるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
任意整理の事例…借金300万円Oさん
(内訳)クレディセゾン…100万円・2015年利用開始~
オリックスクレジット…80万円・2020年利用開始~
楽天カード…50万円・2021年利用開始~
三菱UFJニコス…50万円・2012年利用開始~
アプラス…20万円・2018年利用開始~
⇒月々の返済額…8万5千円
⇒完済時までに払う借金総額…410万円
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
★任意整理の結果★
クレディセゾン…将来利息カット 1万2千円×84回払い
オリックスクレジット…将来利息カット 1万2千円×67回払い
楽天カード…将来利息カット 9千円×56回払い
三菱UFJニコス…将来利息カット 9千円×56回払い
アプラス…将来利息カット 4千円×50回払い
⇒月々の返済額…4万6千円
⇒完済時までに払う借金総額…300万円
全てのカード会社に将来利息のカットに応じてもらえました。
任意整理前の完済時までに払う総額は410万円→任意整理後は300万円、つまり、110万円の利息を無くすことができているという訳です。
⇒クレディセゾンの任意整理について
⇒楽天カードの任意整理について
⇒三菱UFJニコスの任意整理について
任意整理の事例…借金200万円Uさん
(内訳)アコム…50万円・2001年利用開始~
プロミス…50万円・2020年利用開始~
三井住友銀行…50万円・2019年利用開始~
三井住友カード…50万円・2021年利用開始~
⇒月々の返済額…5万6千円
⇒完済時までに払う借金総額…270万円
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
★任意整理の結果★
アコム…返済0円(過払金で借金は0に)
プロミス…将来利息カット 9千円×56回払い
三井住友銀行…将来利息カット 9千円×56回払い
三井住友カード…将来利息カット 9千円×56回払い
⇒月々の返済額…3万6千円
⇒完済時までに払う借金総額…150万円
2001年よりアコムを利用をしていたUさん。
Oさんと異なり、過払い金(過去に払い過ぎていたお金)を計算した結果、借金50万円はすべて無くなりました。
それ以外のカードは、過払い金は発生していませんでしたが、すべてのカードで将来利息のカットに協力してもらえ、今後の利息負担が全て無くなりました。
事例としてご紹介した2つについて共通することは完済時までに払う借金総額の減額と、毎月の返済額の減額ができ、かなりの余裕が出ていることが分かるでしょう。
実際、過払い金が発生していないOさんの場合でも、月々の返済額が半分になっています。
つまり、過払い金発生の見込みがないとしても、今後の利息負担を無くせる分、任意整理をする価値は十分にあるということです。
⇒アコムの任意整理について
⇒プロミスの任意整理について
⇒三井住友カードの任意整理について
任意整理の注意点
以上のようなメリットがある任意整理ですが、注意すべき点があるので、あらかじめ確認しておきましょう。
ブラックリストに載る
任意整理をするとブラックリストに載ってしまいます。
ブラックリストとは、国の機関が管理している信用情報に債務整理などの事故情報は登録されている状態のことで、任意整理の場合は約5~7年間登録され、その間は新たな借金ができません。
当然、クレジットカードの利用や住宅ローン・自動車ローンを組むこともできなくなります。
ブラックリストに載ることは、他の債務整理を選択しても同じであり、個人再生や自己破産でも同様です。
⇒車を残して任意整理
⇒任意整理は住宅ローンに影響するのか?
⇒ブラックリストを丸裸!任意整理のデメリットまとめ
減額効果が他の債務整理に比べると少ない
自己破産や個人再生といった、他の債務整理の方法に比べて、任意整理は減額効果が少ないです。
自己破産は、借金がゼロになりますし、個人再生では借金が最大1/5~1/10程度に減額できる可能性があります。
しかし、減額効果の大きい自己破産や個人再生は、財産を没収されたり、裁判費用がかかったりと、任意整理に比べて非常に大きなリスクを伴います。
出来るだけ少ないリスクで借金を減らしたいという方には、任意整理がおすすめです。
失敗する可能性がある
自己破産や個人再生の場合は、裁判所が間に入って進められるため、カード会社もあなたも、裁判所の命令に従わなければなりません。
しかし、任意整理は、カード会社とあなた(通常はその代理人の司法書士・弁護士)の直接交渉になります。
ですので、要求した条件が受け入れられないことや、任意整理自体が受け入れられないこともあります。
一度交渉に失敗すると、その借金に関しては、任意整理以外の手段を取らざるを得なくなってしまいます。
それを避けるためにも、司法書士・弁護士は慎重に選んだ方が良いです。
※小規模個人再生には、カード会社に反対権が認められているため、手続きが失敗に終わる可能性があります。
⇒任意整理のデメリットは5つだけ|本当はデメリットじゃないことも??
⇒任意整理に失敗するケースと失敗しないための回避法
「どのカード会社から」「総額いくら」「いつから」借り入れているかによって、任意整理によって分割できる回数は変動します。自分は任意整理するとどうなるか詳しく知りたい方は無料3分診断をご利用ください。
まとめ
任意整理を行えば、苦しい月々の返済を軽くすることができます。
任意整理によって減額できるのは、将来利息のカットと過払い金分です。
また、他の方法に比べてリスクが格段に小さいので、自己破産や個人再生に追い込まれてしまう前に、一刻も早く任意整理で解決することが理想的です。
そのためにも、一人で抱え込まず、返済が苦しいと思ったら、すぐに司法書士・弁護士に相談すると良いでしょう。