「長期に渡って支払っているのにリボ払いが終わらない……」
「リボ払いの手数料がとても高いって本当?」
クレジットカードのショッピングでは、リボ払いという支払い方法を選択することができます。
リボ払いでは、月々の支払い金額を定額に設定できるため、10万円の買い物をしても、30万円の買い物をしても、あなたが支払い金額を月々1万円と決めれば、毎月の支払額は1万円で済みます。
しかし、その分支払い回数が増えるため、手数料が多くかかり、完済までにかかる金額が割高になってしまいます。
本ページでは、「リボ払いを選択したものの、支払いが終わらなくて困っている」という人のための解決方法についてご紹介します。
目次
リボ払いとは?なぜ支払いが終わらないの?
リボ払いが終わらないと感じている人のために、まずは、リボ払いの仕組みを詳しく説明しておきましょう。
毎月の支払金額を設定する支払い方法
リボ払いとは、「リボルビング払い」のことで、クレジットカードの支払い方法の一種です。
リボ払いを選択すると、利用した金額に関係なく、毎月一定の金額を支払います。
通常、クレジットカードの支払いでは分割回数を選択でき、分割回数によって月々の支払額が変動します。
たとえば、30万円の商品を10回払いで返済する場合、月々の支払額は3万円+手数料ですが、6回払いで返済する場合、月々の返済額は5万円+手数料となります。
しかし、リボ払いでは、支払いの分割回数ではなく、毎月の支払額を設定します。
たとえば、毎月の支払いを1万円と設定した場合、5万円の買い物をしても、30万円の買い物をしても、月々の返済額は1万円となります。
そのため、高額の商品を購入すればするほど、毎月の返済額を低額に設定すればするほど返済にかかる期間が長くなります。
支払期間が長ければ長いほど手数料が大きくなる
リボ払いを利用すると、どんなに高額な買い物をしても毎月の支払い金額が一定なので、「負担が少ない」と考え、たくさん買い物をしてしまう人もいます。
しかし、リボ払いも分割払いと同じ様に手数料があり、支払回数が増えれば増えるほど、手数料がかかります。
そのため、リボ払いで高額な買い物をし、毎月の返済額を少なく設定すると、それだけ返済に時間がかかり、手数料を支払う回数も増えるため、トータルでみたときの支払金額は高くなります。
リボ払いが終わらないと感じるのは、返済分の多くが手数料になっているからなのです。
リボ払いの手数料は年率15〜18%
リボ払いの手数料は年率15〜18%で、カード会社からの借金にかかる利息に近い金額です。
手数料の金額は以下の数式で計算できます。
使用した金額の残高×手数料率÷365日(1年)×30日
2種類のリボ払い
リボ払いと一言に言っても、その支払い方法は大きく2つに分かれます。
<リボ払い支払いの種類>
- 残額スライド方式
- 定額方式
以下ではそれぞれの支払についてご説明します。
手数料が上乗せされる「残額スライド方式」
残額スライド方式とは、あなたが設定した毎月の支払額に手数料を上乗せした額を返済していくタイプの支払い方法です。
毎月1万円の返済額を設定していた場合、1万円+手数料がその月の返済額です。
仮にリボ払いの残高が30万円あり、年率15%の手数料とした場合、手数料はおよそ3700円ですから、その月の返済額は1万3700円となります。
また、手数料は借金の残高が少なくなればなるほど低くなるため、返済していくたびに少額になります。
翌月の残高は29万円なので、手数料はおよそ3600円となり、返済額は1万3600円となります。
「残額スライド方式」は、必ず定めた額が元本に充てられ、完済に近づくことができるため、リボ払いが終わらないなんて事態には陥りにくいでしょう。
手数料が含まれる「定額方式」
定額方式とは、あなたが設定した毎月の支払額に手数料が含まれているタイプの支払い方式です。
たとえば、前述のように30万円の残高がある場合、年率15%で計算すると、およそ3,700円の手数料がかかります。
定額方式では毎月の支払額に手数料が含まれますので、毎月の支払い金額を1万円にしていた場合、10,000-3,700=6,300となり、実質、月に6,300円しか返済できていないということになります。
このように、「定額方式」では支払額の多くが手数料に充てられてしまい、残高がなかなか減らず、結果的にリボ払いが終わらないというわけです。
仮に、年利15%でリボ払いでの利用額が100万円だったとすると、利息分が1万2500円です。
月々の支払額を1万2500円に設定していると、利息分だけを支払っていることになるため、元金の100万円は永遠に全く減りません。
リボ払いが終わらないと感じるのは、こんなカラクリがあるからなのです。
リボ払いを終わらせるためには?
前述のように、リボ払いを継続していると、完済までに手数料が多くかかってしまいます。
そこで、リボ払いを終わらせるための3つの手段についてご紹介します。
<リボ払いを終わらせるためには……>
- 支払い方法を「一括払い」や「繰り上げ返済」に変更する
- 毎月の支払い金額を増やす
- 金銭的に厳しいなら債務整理を行う
支払い方法を「一括払い」や「繰り上げ返済」に変更
クレジットカードの支払い方法は、あとから変更することができます。
手数料を最小限に抑えるため、一気に支払える余裕があれば「一括払い」に、それが難しければ「繰り上げ返済」に変更するとよいでしょう。
残高の一部をまとめて返済する「繰り上げ返済」
繰り上げ返済とは、支払い中に残高の一部をまとめて返済することです。
リボ払いでは、残高を減らすことで手数料が減額されるため、繰り上げ返済をすることで、手数料を軽減することができます。
以下では、繰り上げ返済をした場合、どのくらい手数料が減るかをみてみましょう。
<繰り上げ返済で10万円支払い、30万円の残高を20万円にした場合>
・残高が30万円の場合、手数料はおよそ3,700円
30万円×15%÷365日×30日=約3,700円
・残高が20万円の場合、手数料はおよそ2,450円
20万円×15%÷365日×30日
→まとめて10万円支払うことで手数料がおよそ1,200円減額
リボ払いで多くの手数料を取られすぎないようにするためには、以上のようにまとめて繰り上げ返済を行うなど、なるべく早く完済できるような工夫をするとよいでしょう。
毎月の支払い金額を増やす
クレジットカードの支払いでは、支払い方法を変更できるだけでなく、リボ払いの支払額もあとから変更できます。
手数料を少しでも少なくしたいのであれば、毎月の支払い金額を増やせないかどうか、検討してみましょう。
<毎月の支払い金額を増やすと支払回数も少なくなる>
・30万円の残高を月々1万円ずつ返済すると、支払回数はおよそ38回
・30万円の残高を月々1万5千円ずつ返済すると、支払回数はおよそ24回
支払回数が少なくなれば、かかる手数料も少なくなります。
上の例では、毎月の支払い金額を5,000円増やしただけで、支払回数が10回以上少なくなっていることが分かるでしょう。
このように、早めの完済を目指すことで、かかる手数料を少なくできるというわけです。
金銭的に厳しいなら債務整理を行う
ここまで、一括払いや繰り上げ返済、毎月の支払い金額の増額など、早く支払うことでかかる手数料をできる限り少なくし、リボ払いを終わらせる手段について述べてきました。
しかし、なかには「お金がなくて一括払いは難しい」「これ以上毎月の支払金額を増やしたら、生活できない」という人もいるでしょう。
リボ払いを返済中で、金銭的に厳しいという人には、債務整理をおすすめします。
債務整理とは、借金の負担を少なくし、生活を立て直すための法的な制度です。
債務整理のなかでも、リボ払いが苦しい方に特におすすめなのが任意整理です。
「どのカード会社から」「総額いくら」「いつから」借り入れているかによって、任意整理によって分割できる回数は変動します。自分は任意整理するとどうなるか詳しく知りたい方は無料3分診断をご利用ください。
利息の免除ができる「任意整理」
任意整理とは、司法書士・弁護士とカード会社の直接交渉で、利息の免除や支払い期間の延長を交渉できる制度です。
カード会社1社から行うことができ、キャッシング利用だけでなく、リボ払いをはじめとするショッピング利用にも適用されます。
任意整理のメリット
任意整理は、手軽にできることから多くの人に利用されている人気の手続きです。
それでは、任意整理のメリットを具体的に見ていきましょう。
リボ払いの手数料がカット
任意整理では、利息や手数料をカットすることができます。
そのため、完済までにかかる金額を大きく減らすことができます。
たとえば、リボ払いの残高が30万円で、毎月の返済額を1万円に設定していた場合、将来かかる手数料はおよそ8万円です。
完済までにおよそ38万円をカード会社に支払うことになります。任意整理をすると、この8万円がカットされ、残高である30万円だけを返済すればよくなります。
つまり、返済した分は全て残高に充てられるため、リボ払いが終わらない状態から脱却できるわけです。
交渉期間中は支払いがストップ
任意整理では、交渉の最中は請求がストップし、和解と同時に返済が再開されます。
そのため、一時的に支払いに追われることがなくなり、金銭的・精神的に余裕を持つことができます。この間に、貯金をして返済再開への準備をしておきましょう。
⇒任意整理とは?どこよりも分かりやすく任意整理とは何かを解説!
⇒任意整理の手続き期間と任意整理後の返済期間はどれくらい?
任意整理のデメリットは「ブラックリストに載ってしまう」こと
任意整理を行うと、信用情報に傷が付き、いわゆる「ブラックリスト状態」になってしまうため、一定期間ローンの新規契約やクレジットカード使用・新規作成ができません。
任意整理によるブラックリスト状態はおよそ5年間で、5年経てば再びローン契約やクレジットカードの使用・作成が可能です。
⇒ブラックリストについて詳しくはこちら
⇒任意整理のデメリットは5つだけ|本当はデメリットじゃないことも??
任意整理を行うための条件は?
任意整理を行えば借金の負担が軽減されますが、0になるわけではないので、「利息を免除すれば完済できる」という見込みのある人が行うことができます。
具体的には、借金を返済していくだけの定期的なお金(パート・アルバイト・お小遣い・夫からの生活費なども含む)を工面できる人であれば、例え定職についていなくても任意整理を行うことができます。
「利息を免除しても借金の完済が難しい」という人は、利息の免除に加え元本が圧縮される「個人再生」や、利息も元本も免除される「自己破産」など、その他の債務整理も併せて検討しましょう。
リボ払いが終わらないと感じたら司法書士・弁護士に相談
任意整理は司法書士や弁護士に依頼して行います。
まずは、司法書士・弁護士事務所に問い合わせ、相談に行きましょう。
初回相談では、あなたの借金・リボ払いの状況や、収入、生活環境についてお伺いし、あなたに合った債務整理をご提案します。
また、債務整理について疑問点や不安点があれば、この機会に相談してみましょう。
任意整理の費用はどれくらい?
任意整理の司法書士・弁護士への依頼費用は、カード会社1社につき3〜5万円程度です。
「お金がなくてすぐには費用が支払えない」という場合、分割支払に応じている事務所もありますので、初回相談時に話してみてください。
支払いが厳しいからといって他のカード会社から借金をしないように注意
リボ払いの支払いが厳しくなると、他のカード会社から借金をしてなんとか支払いをしようとする人がいます。
しかし、他のカード会社から借金をすれば、当然そちらにも利息がかかりますので、支払いの負担がより大きくなってしまう恐れがあります。
このように複数のカード会社から借金をすることを「多重債務」といいます。
多重債務が悪化すると、借金の返済のために新たな借金をする「自転車操業」状態に陥いってしまいます。
返済しても返済しても雪だるま式に借金が増えていく状態ですね。
これを防ぐためにも、リボ払いが終わらないと感じたら、任意整理を検討することをおすすめします。
⇒任意整理の流れと必要なもの|流れを事前に把握して不安を解消!!
「どのカード会社から」「総額いくら」「いつから」借り入れているかによって、任意整理によって分割できる回数は変動します。自分は任意整理するとどうなるか詳しく知りたい方は無料3分診断をご利用ください。
リボ払いを終わらせるためには……
- 金銭的に余裕があれば支払い方法・毎月の支払い金額を変更しましょう
- リボ払いは、途中で一括払いや繰り上げ返済を行うことが可能です。
- 毎月の支払額を増やすことで、支払回数を少なくできます。
- 金銭的に余裕がなければ、「債務整理」を検討しましょう
- 債務整理とは、借金の負担を軽減するための法的な制度です。
- 特に、リボ払いでは利息の免除が可能な「任意整理」がおすすめです。
- 任意整理は、司法書士・弁護士事務所に依頼して行います。
- 「リボ払いの支払いがきつい……」という人は、司法書士・弁護士事務所に相談しましょう。