奨学金は任意整理できる?奨学金の返済が苦しい人必見

奨学金

「奨学金を任意整理すると利息カットできる?」
「奨学金の支払いが苦しい・・・」

今では学生の2.6人に1人が奨学金を利用しています。

その中で多くの人が利用しているのは、返済する必要のある貸与型です。

学生時代に学費や生活費のために利用し、今もなお返済が続いてる人も多いのではないでしょうか。

奨学金の返済が難しくなった際に任意整理を検討する人がいらっしゃいますが、結論からお伝えすると奨学金を任意整理することにメリットはないです。

ここで任意整理の特徴と共に、奨学金を任意整理するメリットがない理由について説明していきます。

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目次

『月々の支払額が減額できる』が生かされない

任意整理は、今後かかる利息や手数料を全てなくすことができます。

また、これまで支払ってきた利息を過去にさかのぼって計算し、法律上の正式な金利で再計算した上で過払い金がないかを確認します。

もし過払い金あった場合、借金の返済にあてることができます。

これによって月の返済額を減額することができるのです。

奨学金の場合は、まず元々の利率が低いです。

第一種奨学金の場合、そもそも利息はありませんし、第二種奨学金の場合でも利率はおよそ1%ほどです。

消費者金融の利率の相場が3~18%ですので、その差は歴然です。

また、任意整理を行うと借金を3~5年で返済することになるのですが、奨学金はもともと20年など返済期間が長く設定されているので、任意整理を行うとほとんどの場合、現在の返済期限よりも早く(=月の支払額の増額)返済しなければいけないことになってしまいます。

ですので、奨学金の任意整理は、むしろ月々の返済額が高くなってしまうというわけです。

尚、任意整理は任意の手続きのため、債権者側が応じるか応じないかは自由です。

そもそもですが、JASSO(独立行政法人日本学生支援機構)は任意整理に応じない可能性が高いです。

任意整理とは何かを詳しく解説!!
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『周囲にバレないでできる』が生かされない

任意整理は、家族や会社、友人などの知られたくない人にバレることなく手続きできます。

任意整理では、司法書士や弁護士が直接債権者と交渉するので、裁判所を通さずに手続きを行います。

ですので、官報に名前が載り誰かに見られるということがありません。

官報とは、政府が国民に対して必要な情報を広報する新聞のようなもので、休日以外は毎日発行されており、インターネットで誰でも閲覧可能です。

官報には裁判所で処理された破産等の記録が掲載されます。

また、債権者からの連絡も任意整理を行うと司法書士や弁護士にいくことになりますし、司法書士や弁護士からの連絡手段も最大限考慮してもらえます。

奨学金でもこれは同じなのですが、注意したいのが保証人です。

奨学金を受ける際には保証人が必要で、申し込の際に人的保証制度か機関保証制度から選択します。

まず人的保証制度を選択している方の保証人は両親や親戚になります。

保証人は奨学金を受けていた方の返済が滞った際、代わりに返済する義務がありますので、仮に人的保証制度で契約している奨学金を任意整理できた場合、債権者から保証人宛に請求がいくので両親や親戚にバレてしまいます。

さらには請求もされることになるので、迷惑がかかります。

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機関保証制度を選択している場合

機関保証制度では、保証料を支払うことで保証機関が保証人の役割を果たしてくれる制度です。

この制度を選択した方が任意整理を行うと、保証機関が代わりに機構へ奨学金を完済してくれます。

その後、保証機関は奨学金を受けていた方に対してその金額を一括請求します。

周囲にバレることはないかもしれませんが、一括で支払うのはかなりハードルが高いと言えます。

奨学金の返済困難を解決する方法

奨学金を任意整理することは難しいですが、返済することが困難な方向けに救済制度があります。

減額返還制度

一度申請すると月々の返済額を1年のあいだ半額にし、その分の返済期間を延長してくれる制度です。返済額自体が減額になるわけではないので注意が必要です。最大で10回(10年間)申請することが可能です。

返済期限猶予制度

返済の期限を延長してもらえる制度です。最長で10年の延長が可能です。利用条件は、病気や災害などで返済するのが困難と認められた場合です。

返還免除制度

奨学金の返済を免除してもらえる制度です。状況により返済額の一部または全額を免除してもらえますが、免除がされるのはご本人が死亡した場合や重度の身体的または精神的障害で仕事をするのが難しい場合に限られます。独立行政法人日本学生支援機構に正式な記載がございます。

http://www.jasso.go.jp/

任意整理の流れを分かりやすく解説

奨学金以外の借金がある場合は任意整理で解決可能

借金が奨学金だけであれば、「減額返還制度」「返還期限猶予制度」「返還免除制度」を申請するしか方法はありませんが、奨学金以外にもカードローンや消費者金融・銀行からの借り入れがある場合は、任意整理で解決できる可能性があります。

カードローン・消費者金融・銀行からの借り入れは、任意整理をすることで、将来利息のカットと返済計画の見直しが可能です。

つまり、任意整理することにより、奨学金以外の借金の利息をゼロにし、元金を60回払い程度にすることで、総合的な月々の返済額をグッと下げられるというわけです。

奨学金はこれまで通り支払っていく必要はありますが、他の借金の返済が重なることで生活が圧迫されている状態であれば、任意整理する価値は十分にあるということです。

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まとめ

奨学金の任意整理を検討している方の中には、奨学金にも借金を抱えている方もいると思います。

任意整理では、借金を自由に選択して手続きを行うことが可能です。

説明してきたとおり、奨学金を任意整理することは現実的ではありません。

毎月の支払いが厳しいような場合は、奨学金を残してそれ以外の借金を任意整理することで毎月の支払額を抑えることが可能です。

奨学金以外の借金を任意整理で3~5年で返済し、奨学金はこれまで通り返済することがよいでしょう。

もちろん周囲にバレることはありません。

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執筆者情報

司法書士・行政書士 山口 広樹
司法書士・行政書士  山口 広樹

横浜市出身で司法書士・行政書士15年目。
かながわ総合法務事務所の代表。
債務整理や過払い金請求を専門にし、累計の解決実績5000件以上。

・司法書士(神奈川県会2376号)
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・行政書士(神奈川県会4407号)
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