借金が550万円あったMさんの任意整理

550万

「550万円の借金を解決するには任意整理が最適なの?」
「借金550万円を任意整理すると具体的にどうなるの?」

任意整理とは、利息の免除・返済期間の延長を交渉できる債務整理です。

債務整理のなかで最もリスクが低く、借金を抱える人にとって非常にありがたい制度で、「利息を免除すれば借金を完済できる」という人に向いている方法です。

本ページでは、550万円の借金を任意整理したMさんの例をもとに、任意整理の実際の流れやメリット・デメリットについてご説明します。

任意整理の無料3分診断

目次

任意整理とは?

任意整理とは、借金の負担を軽減する「債務整理」という法的な制度の1つです。司法書士・弁護士とカード会社の直接交渉によって、利息・遅延損害金の免除や返済期間の延長を交渉できます。

カード会社からの借金には、15〜18%程度の利息がつきます。

任意整理をすると、これが免除されるため、借金の元本だけを返済すればよくなります。

任意整理をすれば、殆どのカード会社で5年間の60回払いにすることが可能です。

ただし、返済期間の延長は80回など更に多い回数を認めてくれるカード会社もありますし、36回までしか認めてくれないカード会社もあります。

任意整理について詳しくはこちら

借金が550万円あるMさんの任意整理

借金が550万円あるMさんの状況

Mさんはギャンブルを趣味としており、ときにはカード会社から借金をして楽しんでいたそうです。

長年ギャンブルを楽しんだ結果、借金総額は気づけば550万円にものぼっていたそうです。

近年は月々の返済も厳しくなり、「なんとかしなければ」という思いで、任意整理を決意しました。

任意整理前のMさんの借金の内訳は以下のとおりです。

<Mさんの借金の内訳>

  • アコム……およそ120万円の借金、月々の返済額はおよそ4万2千円
  • 楽天カード……およそ96万円の借金、月々の返済額はおよそ3万4千円
  • エポス……およそ94万円の借金、月々の返済額はおよそ3万4千円
  • アイフル……およそ86万円の借金、月々の返済額はおよそ3万千円
  • レイク……およそ79万円の借金、月々の返済額はおよそ2万8千円
  • アメックス……およそ75万円の借金、月々の返済額はおよそ2万7千円

→月々の返済額は、総額19万6千円

また、Mさんの生活環境は以下の通りでした。

<Mさんの生活環境>

  • 職業は会社員
  • 奥様と二人で賃貸アパートにお住まい
  • 奥様に借金のことを言っていないので、秘密でなんとかしたい
  • ローン返済中の自動車がある
  • 遅延損害金は発生していない

Mさんは会社員で継続的な収入があり、利息を免除し550万円の借金元本だけであれば、借金を完済できると考えられました。

そのため、当サイトの無料初回相談時に「任意整理」をおすすめし、それを行う事になりました。

Mさんの任意整理の流れ

2020年10月9日
債務整理を考え、司法書士事務所に問い合わせる

2020年10月16日
初回無料相談へお越しになり、任意整理の依頼手続きを行う

2020年10月20日:任意整理スタート
カード会社全6社に任意整理手続き開始を知らせる「介入通知」を送付。
→全6社の請求が一時ストップ
 
2020年10月25日
Mさんの給料日
 
2020年10月31日
任意整理の費用分割支払いスタート(1回目/全3回)

2020年11月25日
Mさんの給料日

2020年11月30日
任意整理の費用分割支払い(2回目)

2020年12月16日
Mさんの債務金額調査終了。任意整理後の返済スケジュールを作成。

<任意整理後の返済スケジュール案>

  • アコム……およそ120万円の借金、月々の返済額はおよそ2万円×60回払い
  • 楽天カード……およそ96万円の借金、月々の返済額はおよそ1万6千円×60回払い
  • エポス……およそ94万円の借金、月々の返済額はおよそ1万3千円×70回払い
  • アイフル……およそ86万円の借金、月々の返済額はおよそ1万4千円×60回払い
  • レイク……およそ79万円の借金、月々の返済額はおよそ1万円×80回払い
  • アメックス……およそ75万円の借金、月々の返済額はおよそ2万千円×36回払い

→月々の返済額は、総額19万6千円から9万4千円へ圧縮

2020年12月21日
Mさんに債権金額確定の連絡
カード会社全6社に任意整理の和解案を提出し、交渉をスタート。

2020年12月25日
Mさんの給料日

2021年1月4日
任意整理の費用分割払い(3回目)
→任意整理の費用支払い完了

2021年1月13日
カード会社全6社との和解が完了。司法書士がMさんの代理として和解書にサインをする。

2021年1月21日
Mさんに和解書をお渡し。

2021年1月25日
Mさんの給料日

2021年2月11日
任意整理後のカード会社への支払いがスタート。

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任意整理の流れを分かりやすく解説

任意整理後のMさんの家計状況

Mさんの月々の給与は手取りで32万円です。任意整理後の家計は以下のようになりました。

<任意整理後のMさんの支出>

  • カード会社への返済額……9万4千円
  • 家賃……8万円
  • 車のローン……3万円
  • 光熱費……1万円
  • 携帯料金……1万2千円
  • 食費……4万円
  • 雑費・交際費など……2万5千円

→合計 29万千円

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任意整理によって月々の返済額は半額以下に

Mさんは550万円の借金があり、月々の返済額が19万6千円と家計をかなり圧迫しており、貯金を切り崩して返済を行っていました。

しかし、任意整理をすることにより、返済額が9万4千円となり、半額以下まで削減されたことで、生活がかなり楽になったといいます。

「どのカード会社から」「総額いくら」「いつから」借り入れているかによって、任意整理によって分割できる回数は変動します。自分は任意整理するとどうなるか詳しく知りたい方は無料3分診断をご利用ください。

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借金が550万円あると将来利息はどれくらい?

カード会社からの借金はおおよそ3年間の36回払いで完済できるように月々の返済額が設定されています。

借金が550万円ある人の場合、月々の返済額は19万6千円で、これを36回支払うとなると、借金完済までにかかる金額は元本+利息で合計およそ706万円です。

つまり、完済までになんと約156万円の利息がかかることになります。

任意整理をすると、将来かかる利息が免除されるため、156万円の利息が免除され、借金完済までにかかる金額は借金元本である550万円で済みます。

自動車のローン返済中でも任意整理なら影響なし

Mさんは自動車を購入したばかりで、毎月3万円ずつのローンを返済中でした。

個人再生や自己破産などその他の債務整理では、すべての借金が債務整理の対象となってしまうため、自動車のローンも債務整理の対象に含まれ、減額される代わりに自動車を失う結果になってしまいます。

しかし、任意整理では対象とする借金を自分で選ぶことができるため、自動車ローンを任意整理の対象から外せば、自動車を残したまま借金の負担を軽減する事ができます。

任意整理なら家族にバレずに行える

Mさんは借金があること、返済が難しいことを奥様に秘密にしていたため、無料初回相談時から「できれば妻にバレずに借金を解決したい」とおっしゃっていました。

個人再生や自己破産などその他の債務整理では、裁判所を通して行うため、債務整理をしたことが行政の発行する「官報」に掲載されることもあり、確率は低いですが債務整理がバレる恐れがあります。

しかし、任意整理は裁判所を通さずに交渉できる債務整理であり、官報に掲載されることを心配する必要はありません。

手続きに関しても、必要書類も少なく、本人の身分証明書等があれば手続きが行えるため、家族にバレにくい債務整理であるといえます。

そのため、Mさんも奥様にバレることなく任意整理を行うことができました。

任意整理はどんな人でもできるの?

利息が免除され、借金の負担が大きく軽減する任意整理ですが、どんな人でも行えるわけではありません。

具体的には、利息が免除されれば、借金を返済できるという見込みがある人でなければ行えません。

たとえばMさんの場合、月々の手取り給与が32万円で、生活にかかる支出が20万円程度でしたから、毎月12万円程度返済に充てられる考えられました。

そのため、利息を免除し、550万円の借金元本だけであれば、返済できると判断できたので、任意整理をおすすめしました。

550万円を任意整理できるかどうかの基準は?

もしあなたが550万円の借金を任意整理したいと思ったら、任意整理をすれば完済できるのかどうか、確認してみましょう。

前述の通り、任意整理を行うと利息の免除ができるほか、大抵のカード会社が5年間の60回払まで返済期間を延長してくれます。

そこで、現在のあなたの状態が550万円を60回払いで完済できる状態なのかどうかが、あなたが任意整理を行えるかどうかの基準といえます。

550万円を60回払いで完済しようとすると、月々の返済額はおよそ9万2千円です。

あなたの月々の収入から支出を引いた金額が9万2千円以上であれば、任意整理を行える可能性は高いです。

一方、月々の収入から支出を引いた金額が9万2千円よりも少ない場合、任意整理をしても完済は難しいといえますので、任意整理以外の債務整理を検討しなければなりません。

また、Mさんの例でもみたように、カード会社によっては返済期間の延長を認めてくれなかったり、逆に70回払い、80回払いなど更に長い返済期間を認めてくれたりしますので、実際の月々の返済額に若干のブレがある可能性はあります。

任意整理では完済が難しい場合は?

現在収入がないという人や、収入はあっても支出でほとんど残らない人、借金元本が収入に見合わず高額な人などは任意整理以外の債務整理を検討することになります。

1つは「個人再生」です。

個人再生とは、利息の免除のほか、借金元本を最大5分の1~10分の1まで圧縮できる債務整理です。

元本も大きく減らせるので、返済の負担はかなり軽減されます。

しかし、個人再生は裁判所を通じた債務整理なので、あなたの抱えるすべての借金が対象となるため、自動車ローンなども対象となり、ほとんどの場合で車を没収されてしまいます。

また、裁判所を利用することで、あなたの個人情報が「官報」に掲載されてしまいます。

2つめは「自己破産」です。

自己破産とは、利息も借金元本も免除されるため、借金が帳消しになる債務整理です。

自己破産では、借金の負担は皆無になりますが、その分、時価20万円相当の財産を没収されてしまったり、手続き中の職業制限(士業・公務員・警備員など)があったり、「官報」に個人情報が掲載されてしまったり、生活に与える影響が大きくなります。

「自分にどの債務整理が合っているのかわからない」とお悩みの人は、一度司法書士・弁護士事務所に相談されることをおすすめします。

任意整理のデメリットは?

任意整理の主なデメリットは、しばらくのあいだブラックリストに載ってしまうことです。

「ブラックリストに載る」とは、個人信用情報に傷がつくことをいいます。ここではまず個人信用情報についてご説明します。

個人信用情報とは?

個人信用情報とは、個人信用情報機関という組織が保持する個人情報で、ローン契約やクレジットカード発行の際にカード会社が行う審査などで利用されます。

個人信用情報には、あなたのクレジットカードの作成・使用履歴や、ローン契約の履歴などが記録されています。

任意整理を行うと、この個人信用情報に「事故情報」として記録が残ります。事故情報が残っていると、カード会社の審査に通らなくなるため、以下のことができなくなります。

個人信用情報に事故情報が残ると……

  • クレジットカードの新規作成・使用ができない
  • ローンの新規契約ができない
  • 携帯電話契約時の本体料金分割払いが選べない(一括でしか購入できない)
  • 家族・友人等の借金の保証人になれない など

任意整理でブラックリストに載る期間はおよそ5~7年間

個人信用情報に事故情報が残ると、カード会社の審査に通らなくなるためにさまざまなことが成約されてしまいますが、一度記録された事故情報は生涯残るわけではありません。

任意整理の場合、自己情報が残る期間はおよそ5~7年間で、5~7年後には再びカード会社の審査に通るようになり、クレジットカードの作成・使用や、ローン契約などが可能になります。

任意整理後の返済期間は原則5~7年ですから、借金が完済できる頃にはブラックリストからも外れているということになります。

ブラックリストに載ることで新たな借金を防げる

ブラックリストに載ってしまうことを「デメリット」としてご紹介しましたが、裏を返せば、任意整理後はクレジットカードの使用やローンの契約ができなくなるため、新たな借金が増える心配がないともいえます。

そのため、必然的に金銭面の意識改革をせざるを得なくなり、無駄遣いが減り堅実な生活が身につくはずです。

再び借金地獄に陥らないよう、身の丈に合った金銭感覚を身に着けましょう。

任意整理のデメリットについて詳しくはこちら

「どのカード会社から」「総額いくら」「いつから」借り入れているかによって、任意整理によって分割できる回数は変動します。自分は任意整理するとどうなるか詳しく知りたい方は無料3分診断をご利用ください。

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借金の返済に苦しんでいるときは早めに手を打つことが大切

550万円の借金を負ったMさんは、任意整理を行うことにより借金の負担が軽減し、金銭的にも、精神的にも楽になったといいます。

また、借金の総額が今より多ければ、個人再生や自己破産を検討する必要もあったため、「利息の免除だけで完済が見込める今の段階で相談してよかった」と話していました。

債務整理は、任意整理、個人再生、自己破産と借金の圧縮が大きくなるに連れて、その分生活に与える影響、デメリットが大きくなります。

したがって、借金に苦しんでいるときは、金額の少ないうちに手を打つことが大切です。今現在、借金の返済に苦しみ、困っている人は、早めに司法書士・弁護士事務所に相談してみましょう。

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執筆者情報

司法書士・行政書士 山口 広樹
司法書士・行政書士  山口 広樹

横浜市出身で司法書士・行政書士15年目。
かながわ総合法務事務所の代表。
債務整理や過払い金請求を専門にし、累計の解決実績5000件以上。

・司法書士(神奈川県会2376号)
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・行政書士(神奈川県会4407号)
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