借金300万円を任意整理したらどう変わる?

 

「300万円を任意整理した場合の効果は?」

「300万円の借金は任意整理がベストな方法?」

300万円を自分で支払っていると、年間で45~55万円の利息(リボ手数料)は発生します。

1ヶ月に換算すると、4万円~4万5000円の出費です。

任意整理をすると、この支払いがなくなるのが大きいと言えるでしょう。

300万円を任意整理できるかの1つの基準は「月に5万円の返済金を捻出できるか?」です。

・300万円の返済が毎月苦しい

・最後まで完済できる自信がない

・月に5万円の返済金は捻出できる

こうした場合には、任意整理を検討してみると良いでしょう。

 

目次

任意整理とは?

まず初めに、任意整理について確認してみましょう。

任意整理とは、カード会社と交渉を行い、将来利息のカット・5年程度の分割払いにする手続きを指します。

つまり、任意整理をすると、利息(リボ手数料含む)は0になり、元本を60回支払えば完済できるというわけです。

返済金は、まず利息の返済に充てられ、残額が元金にあたる仕組みです。

そのため、利息の返済に手いっぱいの状態だと「元本が減らない」という状態になるわけです。

任意整理とは何かを詳しく解説!!

 

借金300万円Oさんの任意整理 (栃木県宇都宮市在住)

【Oさんの借金の内訳】

  • ジャックス(100万円)
  • オリックスクレジット(80万円)
  • ゴールドポイントマーケティング(50万円)
  • 三菱UFJニコス(50万円)
  • アプラス(20万円)

→毎月の返済額:9万円

合計300万円の借金があったOさんは、司法書士事務所に任意整理の相談をしました。

Oさんの状況

  • 自宅はローン中のマンション
  • ローン中の車あり
  • 最近結婚したばかりの妻と2人暮らし
  • 専業主婦の妻には借金のことは秘密
  • 任意整理後の月々の支払い希望額:5万円前後
  • 3ヶ月前から支払いが1ヶ月ずつ遅れていて取り戻せない
  • 三菱UFJニコスで毎月の携帯代の支払い・ヤフー利用料のカード決済あり

ネットで副業をしようと思い、カードでお金を借り始めたOさん。

おもちゃや雑貨などの商品をカードで購入して仕入れを行っていました。

しかし、思うようには売れず、次第にカードの利息や手数料に圧迫されていったようです。

借金が300万円になってしまった時点で、「これ以上は危ない」と判断。

副業も閉鎖し、任意整理でしっかりと返済を行っていこうと決めたようです。

 

専業主婦でも任意整理できるのか?

車を残して任意整理はできるは?

楽天カードの任意整理について

三菱UFJニコスの任意整理について

 

任意整理の手続きの流れ

◆2021年1月8日

任意整理のメール相談を複数の司法書士や弁護士事務所に行う

◆2021年1月15日

事務所に来所相談を行い、任意整理の依頼を行う。

◆2021年1月19日

全5社に任意整理の手続きをスタート(介入通知を送付)
※三菱UFJニコスの携帯代の支払い・ヤフー利用料の支払いを口座振替に変更。

◆2021年1月31日

Oさんのお給料日

◆2021年2月10日

任意整理の1回目の費用として63,000円の支払い。

◆2021年2月28日

Oさんのお給料日

◆2021年3月10日

任意整理の2回目の費用として63,000円の支払い。

◆2021年3月15日

Oさんに債権金額確定の連絡と今後の調整。

任意整理で、300万円を毎月46,000円ずつ支払いを行っていく旨確認。

  • 楽天カード・・・100万円(12,000円×84回)
  • オリックスクレジット・・・80万円(12,000円×67回)
  • ゴールドポイントマーケティング・・・50万円(9,000円×56回)
  • 三菱UFJニコス・・・50万円・(9,000円×56回)
  • アプラス・・・20万円・(4,000円×50回)

◆2021年3月20日

全5社に任意整理の和解案を提出し、交渉を開始。

◆2021年3月31日

Oさんの給料日

◆2021年4月10日

任意整理の最終回の費用として64,000円の支払い。

◆2021年4月12日

全5社全ての和解が完了。打ち合せ通りの和解になり、弁護士が代理で和解所にサインを行う。

◆2021年4月20日

Oさんへ全5社の和解所をお渡し

◆2021年4月27日

Oさんの給料日

◆2021年5月10日

任意整理の最初の支払いがスタート。

 

任意整理の流れと必要なものまとめ

任意整理の費用はいくら?費用の相場を把握しておこう

任意整理の手続き期間と任意整理後の返済期間はどれくらい?

 

任意整理後の家計の状況

【手取り給与:28万円】

▲返済額:4万6千円
▲マンションのローン:7万円
▲車のローン:3万円
▲水道光熱費:1万2000円
▲携帯代金:2万4,000円
▲食費:5万円
▲雑費:1万円
▲交際費:2万円
———————————————-
▲合計:26万2千円

任意整理によってOさんはどれだけ救われたか

Oさんは、300万円の借金があり、毎月の返済額は約9万円でしたので、任意整理をすることにより、1/2の返済額に変更することができました。

任意整理前は、出費が収入を上回っていたため、これまでの貯金を切り崩していたのですが、収入で全て賄えるようになり、生活に安定が出てきたことが分かるでしょう。

次に、任意整理によって、将来利息の全カットをすることができたため、本来支払わなければいけなかった、約100万円が減額できたことになっております。

任意整理のデメリットは5つだけ|本当はデメリットじゃないことも??

 

Oさんが任意整理をしてよかったと感じたこと

Oさんは、家と車のローンがあったため、個人再生や自己破産をせずに、借金問題を解決したいと考えていました。

個人再生では、借金を最大で1/5~1/10にまで圧縮できる可能性がありますが、車は失ってしまいます。

自己破産では、借金をゼロにできますが、車も家も失うことになります。

任意整理では、整理する借金を自由に選択でき、家と車のローンを整理対象から外せますので、どちらも失わずに借金の整理をできたことが一番良かったとのことです。

次に、Oさんは、妻に借金のことは内緒にしておりましたので、できるだけバレずに借金を整理したいとも考えていました。

任意整理は、裁判所を介さずに、債権者(カード会社)と直接の交渉を行いますので、第三者にバレることはありません。

個人再生や自己破産は、裁判所を介するため、官報という国が発行する新聞に名前が記載されるため、万が一バレるリスクがあるのですが、任意整理はそのような心配は無く、もちろんOさんは妻にバレずに任意整理することができました。

 

家族にバレずに任意整理できる?

一部の借金だけ対象にできる任意整理

任意整理と個人再生の違い

任意整理と自己破産の違い

 

借金が300万円あると利息はどれくらい?

消費者金融や銀行からお金を借りると、利息は必ずついてきます。

クレジットカードでも、複数回の支払いに設定している場合は、手数料という形で利息が発生してきます。

それでは、300万円の借金では、どれくらい利息がつくのでしょうか。

利息は、元金に比例して発生しますので、元金が大きければその分利息も多くなります。

つまり、毎月の返済額が低い場合は、常に利息分が多くを占めるようになり、なかなか元本が減っていきません。

年利が15%で300万円の借金を、毎月8万円づつ返済していったとすると、完済までに4年3ヵ月(51回払い)要し、支払総額は約410万円となり、元本との差額である110万円が利息分となります。

毎月、5万円づつしか返済しない場合は、完済までに9年4ヵ月(112回払い)要し、支払総額は約560万円となり、元本との差額である260万円が利息となります。

毎月、10万円づつの返済であれば、利息分は80万円です。

それでは、300万円の借金がある場合の月々の返済額に対する利息分を表にしておきますので確認してみましょう。

毎月の返済額 合計利息
5万円 260万円
6万円 175万円
7万円 135万円
8万円 110万円
9万円 95万円
10万円 80万円

300万円もの借金があれば、相当額の利息を支払っていることが分かると思いますが、任意整理では、これら全ての利息をゼロにすることができます。

借金300万円を任意整理できる基準

任意整理は、借金に苦しんでいる方が生活を立て直すための法的手段となりますが、誰でも出来るわけではありません。

任意整理をするためには、1点だけクリアしなければいけない基準があり、それが、『毎月いくら返済できるか』です。

消費者金融・クレジットカード会社・銀行それぞれによって、交渉によって応じてくれる、返済していく分割回数は異なってきますが、殆どのところは60回払いを上限としています。

300万円の借金であれば、300 ÷ 60 = 5となり、毎月5万円づつ返済していけるかが任意整理ができる基準となり、3万円しか用意できなかったり、2万円しか用意できない場合は、任意整理はできないのです。

任意整理で対処しきれない場合は、個人再生や自己破産といった他の債務整理を検討してみましょう。

 

任意整理のデメリット

任意整理は、現状の借金苦を解消できる一方で、唯一のデメリットが存在します。

耳にしたことがある人は多いと思いますが、任意整理をするとブラックリストに載ってしまいます。

ブラックリストに載るとは、個人信用情報機関にあなたが任意整理したという事実が登録されることです。

個人信用情報機関に登録されている情報は、カード会社が、お金を貸し付けたりクレジットカードを発行する際に、審査対象の1つとして利用されます。

あなたが任意整理をした後に、クレジットカードを作成しようとすると、そのカード会社は、あなたにクレジットカードを作成させても良いのか判断するために、この個人信用情報機関に問い合わせます。

カード会社は、あなたが任意整理をしていることが分かると、「この人はお金に余力がない人」という判断をし、審査を通さなくなります。

もちろん、100%審査が通らないというわけではありませんが、非常に高い確率で審査に通らないと考えて問題ないでしょう。

ブラックリストに載ることで、新規の借り入れ・クレジットカードの作成や使用・車や家のローン購入・第三者の保証人になること・携帯電話の分割購入などができなくなります。

しかし、ブラックリストには永遠に載るわけではなく、5~7年程経過するとブラックリストから削除されることになりますので、5~7年後にはまた元の信用状態に戻るということです。

任意整理では、あなたの借金をおよそ5~7年(60~84回)で完済できるように返済計画を組み立てます。

完済までの期間とブラックリストに載っている期間が同じということに気づいたでしょうか?

任意整理によって借金を完済するころには、ブラックリストからも外れている状態になるということです。

任意整理に踏みきれない方たちの最も大きな要因が、ブラックリストに載るというデメリットを受け入れられないことです。

たしかに、お金が借りれなかったりクレジットカードが使用できなくなると、急な出費に対応できなくなるなどの不安を持ってしまうかもしれませんが、借金問題を解決する上で最も重要なことは、これ以上借金を増やさないことです。

任意整理によってブラックリストに載ることで、強制的に自ら借金ができない状態にできるというポジティブな考えを持ってみると良いでしょう。

ブラックリストを丸裸!ブラックリストの全容

 

300万円の借金を任意整理で解決できない場合

300万円を任意整理をするためには、月々6万円の返済をする能力が必要です。

つまり、月々の返済額を3万円・4万円しか用意できないとなると、任意整理で解決することが難しいでしょう。

それでは、300万円の借金を解決する手は全くないのか?というとそうではありません。

借金を解決する方法を総称して債務整理と呼びますが、任意整理は、この債務整理の1種であり、他にも借金を解決する方法があるのです。

それは、個人再生と自己破産です。

個人再生は、あなたの借金の元本自体を最大で80%にまで減額できる可能性があり(100万円を下回らない程度で)、自己破産では、借金をゼロにすることが可能です。

300万円の借金を個人再生した場合、MAXで100万円にまで減額できる可能性があり、減額された100万円を3年(36回)で完済すれば、減額された200万円は免除されるのです。

100万円を3年で支払えばよいので、月々の返済額は¥28,000程度ですので、十分に返済している人も多いのではないでしょうか。

また、あなたの返済能力によっては、5年(60回)まで延長してもらえるケースもあり、その場合の月々の返済額は¥17,000程度です。これなら生活に余裕を持つて返済していけそうではないでしょうか。

自己破産は、借金がゼロになるため、あなたの返済能力は一切関係ないため、収入が全く無くても行えます。

このように、個人再生や自己破産は非常に大きい減額効果をもっておりますが、その反面デメリットも多くなりますので、慎重に選択していきたいものです。

 

任意整理を始めたい場合にはどうすればいいの…?

  • 今月の支払いができないかも…
  • 借金を減らして支払いを楽にしたい…
  • 月々のカードの支払いを〇万円に抑えたい…

こんな状態であれば、あなたも実際に任意整理を検討してみましょう。

「なにを相談したらいいかよく分からないし ・・・」
「いきなり専門家に相談するのは気が引ける・・・」
「限界まで切羽詰まっているわけじゃないし・・・」

そんな不安もあってなかなか相談をしてない…という方も少なくないのでは?

任意整理を検討するにしても、そもそも任意整理できるか?できないか?が分からないといけません。

なぜなら、、いくら悩んでも「そもそも任意整理できない」なんて場合もあります。

任意整理を検討する場合には、まずは「任意整理診断」を利用するのが最初のステップ!!

任意整理診断では、

★任意整理ができる?それともできない…?

★借金の利息をカットしてどのくらい借金が減らせる?

★任意整理すると毎月の支払いが○○万円→●万円に減る

などが一目で分かります。

当サイトでも、任意整理の診断を無料で行っています。電話でもメールでもOK!3分もあれば診断項目は入力できます!!

《任意整理診断の例》

①Aさん(楽天100万円・オリコ80万円・ニコス60万円・新生銀行50万円・三井住友銀行50万円)

・借金合計340万円・毎月約12万円の返済(ショッピングで変動あり)

・全5社とも任意整理は可能

・1年間で発生している利息は約40万円~60万円(1ヶ月あたり34,000円~50,000円が利息・リボ手数料の支払い)
これらの利息の支払いを0にすることは可能。

⇒毎月の返済は約5万円~5万5000円に下げることが可能。

②Bさん(アコム50万円・プロミス50万円・ポケットカード80万円・ヤフーカード30万円)

借金合計210万円・毎月約7万円の返済(ショッピングで変動あり)

・全4社とも任意整理は可能。
ただし、アコム・プロミスは数か月の利用だと任意整理が厳しいケースも…

・1年間で発生している利息は約28万円~37万円(1ヶ月あたり23,000円~31,000円が利息・リボ手数料の支払い)
これらの利息の支払いを0にすることは可能。

⇒毎月の返済は約3万3000円~3万7000円に下げることが可能。

任意整理で毎月支払いをしていく金額はあなたが自由に決められるものではないのです…。

この金額は、カード会社毎に異なっていて、5年がスタンダード、3年と短期のところもあれば、7年とロングのとこもあります。

つまり、あなたがどこのカードを利用しているかによって任意整理での返済額は変わっていくのです。

①任意整理をした場合の毎月の支払額を知る!
②この支払額を毎月支払っていける!!
③任意整理はできる!!!

ということ…

そのためにも、

『あなたが任意整理をしたら毎月いくら支払う必要があるか』

を最初に任意整理診断で知っておく必要があるわけですね。

任意整理診断は電話でもメールでもOKです!メール希望の場合には、下記の診断フォームから気軽にお問合せ下さい(^^)/

「どのカード会社から」「総額いくら」「いつから」借り入れているかによって、任意整理によって分割できる回数は変動します。

自分は任意整理するとどうなるか詳しく知りたい方は無料3分診断をご利用ください。

任意整理の無料3分診断

まとめ

副業によって300万円の借金をつくってしまったOさんですが、300万円の時点で任意整理を行ったので、大事には至りませんでした。

任意整理では元本は支払っていく必要がありますので、月々の返済額がこれ以上大きければ、任意整理では対応しきれなかった可能性が非常に高いです。

任意整理は難しくなると、個人再生や自己破産のようなデメリットが大きくなる手続きを考えざる得ません。

借金は、どれだけ早く手を打てるかで返済金額が変わってきます。

借金返済が苦しかったり、難しいようであれば、早期に弁護士や司法書士に相談してみましょう。

相談!My任意整理のTOPへ

執筆者情報

司法書士・行政書士 山口 広樹
司法書士・行政書士  山口 広樹

横浜市出身で司法書士・行政書士15年目。
かながわ総合法務事務所の代表。
債務整理や過払い金請求を専門にし、累計の解決実績5000件以上。

・司法書士(神奈川県会2376号)
神奈川県司法書士会の会員ページはこちら

・行政書士(神奈川県会4407号)
日本行政書士会連合会の会員検索ページはこちら

かながわ総合法務事務所のHPはこちら
ブログはこちら