「350万円の借金を解決するには任意整理が最適なの?」
「借金350万円を任意整理すると具体的にどうなるの?」
任意整理は、比較的少ないリスクで借金の負担を減らすことができる手続き。
その手軽さから、借金の返済に苦しむ人に、まずおすすめしたい手続きであります。
そこで、そもそも任意整理は、どのような流れで行われ、どのくらい負担が減るものなのか知っていますでしょうか。
そこで今回は、350万円の借金を抱えた状態から任意整理を行ったUさんのケースを例に取り、任意整理の流れと効果を具体的に確認していきましょう。
目次
借金350万円 Uさんの任意整理
|
合計350万円の借金を整理したいと、司法書士事務所に相談しました。
任意整理前のUさんの状況
|
今回任意整理を希望したUさんは、40代の既婚で妻と共働き。
最近になって家を購入。
しかし、カードでの買い物などで膨らんでいた借金の返済が、住宅ローンの返済と合わさって、かなりの重荷になっていました。
Uさんが任意整理を選択した理由は、①購入したばかりの家を失いたくない②妻にはばれたくない、という二つ。
これらの条件を満たすには、任意整理が最適という結論に至りました。
今回は整理の対象が5社。任意整理の費用は16万円になりました。
⇒任意整理とは何かを詳しく解説!!
⇒家族にバレずに任意整理できる?
⇒楽天カードの任意整理について
⇒セディナカードの任意整理について
⇒セゾンカードの任意整理について
⇒ニコスの任意整理について
⇒任意整理の費用はいくら?費用の相場を把握しておこう
任意整理手続きの流れ
◆2021年1月
任意整理の開始を検討する。
事前のリサーチで、任意整理をするには給与口座を変更しなければならないことを知る。
念のため、給与口座を三井住友銀行からみずほ銀行に変更する。
◆2021年2月3日
任意整理のメール相談を複数の司法書士事務所に行う。
◆2021年2月10日
事務所に来所相談を行い、任意整理の依頼を行う。
なお、依頼契約書は郵送せず、その場で署名・捺印を行った。
◆2021年2月17日
全5社に任意整理の手続きをスタート(介入通知を送付)。
◆2021年2月25日
Uさんのお給料日。
◆2021年2月28日
任意整理の1回目の費用として57,000円の支払い。
◆2021年3月25日
Uさんのお給料日。
◆2021年3月30日
任意整理の2回目の費用として57,000円の支払い。
◆2021年4月15日
Uさんに債権金額確定の連絡と今後の調整。
任意整理で、400万円を毎月57,000円ずつ支払いを行っていく旨を確認。
|
この条件での和解を目指す。
◆2021年4月20日
全5社に任意整理の和解案を提出し、交渉を開始。
◆2021年4月25日
Uさんの給料日
◆2021年4月30日
任意整理の最終回の費用として56,000円の支払い。
◆2021年5月12日
全5社、全ての和解が終了。打ち合せ通りの条件で和解することに成功。
◆2021年5月15日
和解契約書をUさんに郵送。
ただし郵便形式は、Uさんの希望で「局留め」とした。
◆2021年5月25日
Uさんの給料日
◆2021年5月27日
和解後の最初の支払いがスタート。
任意整理後の家計の状況
★手取り給与…35万円
→合計…258,000円 |
⇒任意整理の流れと必要なものまとめ
⇒任意整理のデメリットを漏れなく解説
「どのカード会社から」「総額いくら」「いつから」借り入れているかによって、任意整理によって分割できる回数は変動します。自分は任意整理するとどうなるか詳しく知りたい方は無料3分診断をご利用ください。
任意整理後の変化とチェックポイント
さて、任意整理を行うことで、Uさんの返済はどのくらい楽になったのでしょうか。
任意整理をする前のUさんの返済額はおよそ16万円ほど。
これが、任意整理をする事で51,000円まで減ったのですから、毎月の返済額が3分の1以下になったと言えます。
これなら、Uさんの収入のなかで無理なく返済を続けていけそうです。
ポイント①給与口座と同じ銀行を任意整理する
今回のUさんの例で重要なポイントの一つ目は、給与口座と同じ銀行を任意整理しているということです。
もともと、Uさんの給与口座は三井住友銀行。
三井住友銀行はUさんの任意整理の対象にも入っています。
じつは、このまま任意整理を行うと、受任通知が銀行に届いた瞬間に給与口座を凍結され、残金が全て返済に充てられてしまうのです。
(受任通知とは、銀行・消費者金融・クレジットカード会社に対して、司法書士や弁護士が代理人になることを知らせるもの)
そうなれば、最悪の場合、完全に無一文になってしまいますから、これは事前に対策しなければなりません。
Uさんの場合は、依頼前のリサーチで、あらかじめこの問題に気がつき、給与口座を変更していました。
その機転が功を奏して、依頼後すぐに全ての銀行・消費者金融に介入通知を送ることができたのです。
つまり、給与口座を開設している銀行を任意整理の対象とする場合は、あらかじめ別の銀行に変更しておかなければならないのです。
ポイント②同居している家族にバレない任意整理
もう一つ、今回のケースで重要なポイントは、家族にバレずに任意整理を行う工夫がされている点です。
そもそも任意整理は、家族にバレるリスクがとても低い手続き。
正しく手続きを進めていれば、基本的に家族に知られることはありません。
しかし唯一、司法書士・弁護士から郵送されてくる郵便物が、家族にバレる原因になってしまうことがあります。
そこでUさんは、この任意整理の中で2回だけ、家族バレを防ぐための対策を行っているのです。
まず1回目は、2021年2月10日。
司法書士に正式に依頼を決めた日です。
この時Uさんは、その場で依頼契約書に署名・捺印をしました。
じつはここに、家族バレを防ぐポイントがあるのです。
そもそも任意整理の依頼契約書は、打ち合わせ後に自宅に郵送され、自宅で署名・捺印してから返送する、というパターンがよくあります。
しかし、このパターンでは以来契約書が自宅に郵送された際に、家族にバレてしまう可能性があります。
Uさんはそれを防ぐために、あえて打ち合わせの場で署名・捺印を済ませてしまったのです。
2回目は2021年5月15日、和解契約書の郵送です。
この郵送では、Uさんたっての希望で、「局留め」という特殊な郵便形式がもちいられました。
これは、郵便物が自宅まで届かず、最寄りの郵便局までしか郵送されない、という郵便形式です。
局留めを利用すれば、自宅に和解契約書が届いて家族にバレる、という可能性を潰すことができます。
Uさんはこの和解契約書についても事前に把握して、対策を施していたのですね。
以上が、Uさんが家族バレを防ぐためにしていた対策です。
ここまでやっておけば、家族に任意整理を知られるということはほぼないでしょう。
ちなみに、特殊な郵便形式を使う方法は、依頼する事務所によっては、対応しているところとしていないところがあります。
局留め以外にも、本人限定受け取り郵便、親展扱い、無地の封筒を使ってもらう等、手段はたくさんあります。
この点については、あらかじめ司法書士・弁護士と相談しておくと良いでしょう。
⇒任意整理すると自宅に郵便物が郵送されてくる?
⇒100万円の任意整理 ⇒150万円の任意整理 ⇒200万円の任意整理 ⇒250万円の任意整理 ⇒300万円の任意整理 ⇒400万円の任意整理 ⇒450万円の任意整理 ⇒500万円の任意整理 ⇒550万円の任意整理 ⇒600万円の任意整理
「どのカード会社から」「総額いくら」「いつから」借り入れているかによって、任意整理によって分割できる回数は変動します。自分は任意整理するとどうなるか詳しく知りたい方は無料3分診断をご利用ください。
まとめ
借金が350万円あったUさんは、任意整理をすることで、月々の返済額を3分の1にまで減らすことができました。
またUさんのケースでは、事前のリサーチが功を奏し、手続きがスムーズに進んだと言えます。
任意整理を依頼する際には、軽くリサーチしておくのも良いでしょう。
しかし、なにより大事なのは、一人で悩まずに、一刻も早く司法書士・弁護士に相談すること。
この判断が遅れると、最悪の場合手遅れになり、任意整理では対応できなくなってしまいます。
借金の返済が苦しいと感じたら、一刻も早く司法書士・弁護士に相談しましょう。