500万円の借金は任意整理がベスト?500万円の任意整理例を公開

500万円

「500万円の借金を解決するには任意整理が最適なの?」
「借金500万円を任意整理すると具体的にどうなるの?」
 
500万円の借金があるあなたは、現状月々の返済額は12万円~18万円程度ではないでしょうか。

一般的なサラリーマンの平均手取り月収が30万円前後なので、手取り月収の1/3~1/2が借金の返済に持っていかれてしまうと、生活は非常に苦しいことでしょう。

借金を解決する方法として、1つ任意整理が考えられますが、500万円の借金は任意整理で解決することがベストなのでしょうか?

任意整理を行うべきかどうかの判断基準は、借金額に依存するわけではありません。

実際の任意整理例をもとに、500万円の借金を任意整理した方がよいケースをお伝えしていきましょう。

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目次

任意整理とは?

まず、任意整理について簡単におさらいをしておきましょう。

任意整理とは、カード会社(クレジットカード会社・銀行・消費者金融など)と直接交渉をすることによって、将来利息・遅延損害金のカットと支払い期間の延長を認めてもらう手段のことを指します。

将来利息とは、今まさにあなたが毎月のように支払っている利息のことであり、将来利息がカットされるということは、任意整理後は一切利息が発生しないということです。

また、カード会社によって異なりますが、既に月々の返済を延滞している場合、遅延損害金が発生していることでしょうが、この遅延損害金もゼロにできる可能性があります。

つまり、任意整理をすると、元本(借りているお金)だけを返済していけば良い状態にできます。

支払い期間は、3年(36回)~5年(60回)で計画することがベースですが、多くのカード会社で5年(60回)での支払いを認めてくれます。

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借金500万円の利息はいくら?

借金が500万円もあれば、月々の返済額の多くを利息が占めている可能性が非常に高いです。

毎月毎月どれくらいの利息を支払っているのか、完済する頃には利息分だけで総額いくらになっているのか把握できていますでしょうか。

毎月、多額の利息を支払っているのですから、利息総額がとんでもない額になることは容易に想像できるかと思いますが、1つの指標として以下に表を出しておきましょう。

≪借金が500万円ある場合の返済額と利息の関係(年利15%で計算)≫

毎月の返済額 利息合計
9万円 364万円(返済総額864万円)
10万円 290万円(返済総額790万円)
11万円 248万円(返済総額748万円)
12万円 220万円(返済総額720万円)
13万円 189万円(返済総額689万円)
14万円 172万円(返済総額672万円)
15万円 160万円(返済総額660万円)

上記の表を見ていただければ、借金500万円は、どれだけ利息分として支払うのかお分かりいただけるのではないでしょうか。

毎月の返済額が9万円の場合は、完済するころには総額864万円支払うこととなり、500万円との差額である364万円が利息分です。

500万円の借金を任意整理すると?

あなたが、任意整理を依頼した時点で丁度500万円の借金があったとしましょう。

任意整理をすると、将来利息がカットされ、およそ5年(60回)で完済できる計画となるため、月々の支払いは、500万円÷60回≒8万3千円という計算になります。

毎月8万3千円を返済していくと、500万円の借金から毎月確実に8万3千円づつが減っていきます。

借金が一向に減っていかないと感じる要因は、利息が高すぎることにあります。

500万円を一般的な利息の15%で借り入れしていた場合、6万円程が一ヶ月の利息分となり、15万円の返済をしていても、9万円しか減少しないことになります。

15万円を返済しているのに、実際は9万円しか返せていないのです。

ちなみに、月々の返済額が6万円の方は、利息分しか支払えていなくて、500万円の借金は一切減っていないということなので、1年後も10年後も借金が500万円あり続けます。

このように、高すぎる利息が、借金は一向に減っていかない仕組みになっているのです。

しかし、任意整理をすると利息はゼロとなり、元本だけ、つまり500万円だけ返済すればよくなりますす。

返した分は、全て元金に充てられ、着実に完済に向かっていけるというわけです。

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借金500万円は任意整理すべきか?

さて、それでは500万円の借金は、任意整理で解決することがベストなのでしょうか。

借金を解決する方法である債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産という3つの手段があり、適切な選択をする必要があります。

500万円の借金であれば、これら3つの手段どれでも選択できる可能性があり、あなたの生活環境(収入・家族構成・所有財産)によってベストな方法が異なります。

借金の減額効果は、任意整理<個人再生<自己破産、といったように、任意整理が一番減額効果が小さく、自己破産が最強です。

一方で、各債務整理のデメリットの大きさも、任意整理<個人再生<自己破産、といったように、任意整理が一番小さく、自己破産が一番大きくなっています。

ここで、500万円の借金を任意整理するためには、たった1つだけ条件があり、任意整理後の月々の返済額、約8万3千円を支払っていける能力が必要です。

しかし、約8万3千円の返済が難しければ、デメリットの大きい個人再生か自己破産を検討せざるを得ませんので、そもそも任意整理すべきかどうかの対象にはなり得ません。

よって、毎月約8万3千円の返済する能力があるという前提で、任意整理・個人再生・自己破産のどれを選択すべきなのかお伝えしましょう。

まず、自己破産は「支払い不能状態」、つまり返済能力が無いことが条件ですので、毎月約8万3千円の返済する能力があるのであれば、自己破産はできません。

ということは、任意整理と個人再生のどちらが良いか、ということになります。

個人再生では、住宅ローンを除く全ての借金を整理対象にしなければいけないというデメリットがあります。

あなたの借金の中に、車のローン・バイクのローン・奨学金・保証人付き借金はあるでしょうか?

個人再生をすると、これら全ての借金が整理対象になります。

ローン中の車やバイクは取り上げられますし、奨学金や保証人付き借金は保証人に請求がいき迷惑をかけることになり、非常に不都合なことが生じてしまうというわけです。

つまり、車のローン・バイクのローン・奨学金・保証人付き借金がある場合は、任意整理を選択することがベターでしょう。

任意整理は、整理対象を自由に選択できるという特徴を持っており、不都合が生じる借金は整理対象から外すことができますので、車やバイクを手元に残しておけますし、保証人に迷惑をかけなくて済みます。

一方で、ローン中の車やバイクを手放す覚悟があったり、そもそもローン支払い中の物が無い、保証人付き借金が無いとなると、借金を大幅に減額できる個人再生を選択するほうがお得になるでしょう。

このように、あなたの生活環境(収入・家族構成・所有財産)によってベストな選択は異なりますので、間違った選択をしないように注意しましょう。

一部の借金だけ対象にできる任意整理
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借金500万円Aさんの任意整理(東京都杉並区在住)

「Aさんの借金の内訳」

  • みずほカードローン:200万円
  • モビット:150万円
  • アイフル:80万円
  • プロミス:70万円

毎月の返済額:14万円

500万円にのぼる借金を抱えてしまったAさんは、毎月の返済に耐え切れず、ホームページで知った弁護士事務所に相談にいくことを決意。弁護士さんには自分の現状を全て伝えました。

「Aさんの状況」

  • マイホームはローンを返済中
  • 新婚の奥様と男の子が一人(生後5ヶ月)
  • 車のローンあり
  • 妻や会社に内緒で任意整理を進めたい
  • 任意整理後の返済希望額は月9万円

ネットで何か副業ができないかと探していたAさん。

Aさんは前々から投資に興味があったため、FXをはじめることに。

FXは手軽にスマホでも取引ができ、外出中でも取引ができるので、仕事の合間でもできると考えました。

そして、取引を始めて1ヶ月、なんと30万円が50万円になっていたのです。FXとはこんなに簡単にお金を増やすことができるのかと感動。

簡単に利益を得たことでのめり込み、気づけば仕事が手に付かないほどスマホの画面に釘付けになっていました。

しかし、利益が出たのはビギナーズラックで最初だけ。2ヶ月目以降はお金が増えるどころか、どんどん減っていく始末でした。

理由は、レバレッジ(少ない資金で大きな取引をすること)の引き上げすぎ。

相当レバレッジを引き上げて取引していたため、たちまち資金が溶けていき、挙句の果てに借金で取り返そうとしてまったというわけです。

こうなってくるとギャンブルと何も変わりませんね。

結果的には、FXは良くないとわかり断念。ホームページで知った任意整理で心機一転やり直そうと決意したというわけです。

借金が500万円あったAさんの任意整理の流れ

2021年1月13日

ホームページから、複数の弁護士に任意整理について相談。
3ヶ所の弁護士事務所に訪問し、説明の内容や、弁護士の雰囲気で比較。
 
2021年1月24日

最も話を親身になって聞いてくれた弁護士の事務所にアポをとり、再度訪問。現状を一部始終お話し、任意整理の手続きを依頼。
 
2021年2月4日

任意整理の手続きがスタートし、借入先4社全てに受任通知を送付。弁護士費用は12万円で3ヶ月で返済していくことで決定。弁護士費用を支払っている期間中に、弁護士が借入先のカード会社と和解交渉を結ぶため、その間はカード会社への返済は不要とのこと。
 
2021年2月25日

Aさんのお給料日。
 
2021年3月10日

任意整理費用40,000円を弁護士事務所に支払い。
 
2021年3月25日

Aさんお給料日。
 
2021年4月10日

任意整理費用40,000円を弁護士事務所に支払い。
 
2021年4月15日

Aさんに、各カード会社で決定した和解後の債権額をお知らせし、今後の返済計画について調整。Aさんの希望では月々9万円の返済であったが、月々8万5千円の返済でも5年で完済できるとのことで、月々8万5千円づつ支払っていけるか再度打ち合わせ。

・みずほカードローン:200万円(3万4千円×60回)
・モビット:150万円 (2万5千円×60回 )
・アイフル:80万円(1万4千円×60回)
・プロミス:70万円(1万円2千円×60回)

2021年4月20日

カード会社全4社に対して、弁護士から和解案を提出して交渉を開始。

2021年4月25日

Aさん給料日

2021年5月10日

弁護士費用の最終支払日。費用4万円を弁護士事務所に振り込み。

2021年5月13日

カード会社全4社との和解が完了。弁護士との打ち合わせ通りの金額で無事和解することができた。和解書に弁護士が代理でサインして和解手続き完了。

2021年5月20日

Aさんにカード会社全4社との和解書を提出

2021年5月25日

Aさん給料日

2021年6月10日

任意整理手続き完了後、最初の返済日。ここから5年間の返済がスタート。

モビットの任意整理について
アイフルの任意整理について
プロミスの任意整理について
任意整理の費用はいくら?費用の相場を把握しておこう
任意整理の流れを分かりやすく解説

「どのカード会社から」「総額いくら」「いつから」借り入れているかによって、任意整理によって分割できる回数は変動します。自分は任意整理するとどうなるか詳しく知りたい方は無料3分診断をご利用ください。

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任意整理後のAさんの生計の変化

Aさんの手取り給与は38万円。

▲借金の返済額:8万5千円
▲マイホームのローン:8万円
▲車のローン:3万円
▲水道光熱費:1万3千円
▲携帯料金:1万円
▲食費:6万円
▲雑費:1万円
▲交際費:5万円
ーーーーーーーーーー
▲合計:33万8千円

任意整理後のAさんの生活の変化

Aさんには500万円の借金があったため、毎月の返済額は14万円という大変大きな金額になっていました。

しかし、任意整理をすることにより、毎月の返済額を8万5千円にすることができたため、結果的に毎月の返済額を約40%減額することができたというわけですね。

Aさんの給与が手取りで38万円ですが、任意整理前は毎月14万円返済していたため、毎月の収支から1万3千円が赤字になっていたのが分かりますね。

つまり、もしAさんが任意整理をしていなければ、毎月のやりくりをするために借金を増やしていくしかなく、いずれカード残額が限度額に達する頃にはもっと悲惨な状況になっていたことでしょう。

また、任意整理をすることで、本来かかっていたはずの利息をカットすることができたため、Aさんは、約200万円という大金を余分に支払わずに済んだというわけです。

Aさんが任意整理を選択した理由

Aさんは借金500万円という大金を背負っていたため、個人再生や自己破産を選択すべきか悩んでいました。

弁護士さんに相談した当初はとにかく借金を減額して、毎月の借金を減らしたいと考えていたため、どちらかといえば個人再生や自己破産に気持ちが傾きかけていたといいます。

個人再生は借金を1/5~1/10まで減額でき、自己破産は借金をゼロにできるので、減額だけにフォーカスして考えれば当然の流れと言えるでしょう。

しかし、個人再生や自己破産は高い減額効果の一方、リスクも存在するのです。

そのリスクとは、財産を没収されるということと、債務整理をしたことが人にばれるかもしれないということです。

これらのリスクをAさんは問題視したわけですね。

ちなみに、任意整理であれば財産が没収されることはなく、且つ、人にバレるということもありません。

Aさんの状況についてもう少し詳しく見ていきましょう。

車やマイホームを没収されたくなかった

Aさんは住宅ローンを抱え、マイホームを所有していました。

そして、このマイホームは、もし自己破産をした場合は没収されてしまいます。(個人再生はマイホームは没収されない)

自己破産は、借金を財産と相殺する形で処理するわけですね。

Aさんは、マイホームは絶対に必要なものであると考えていたので手放すという選択肢はありませんでした。

また、Aさんは自動車ローンも抱え、車も所有していました。

車に関しては、個人再生でも、自己破産でも、いずれにしても没収されてしまいます。

これから子供の成長を見守る過程で、Aさんにとって車もどうしても手放したくないものでした。

このように、Aさんにとって、マイホームや車は今後の生活において絶対に必要なものであり、手放すという選択肢がなかったため、結果的に個人再生や自己破産は諦め、任意整理でいこうと決断されたというわけです。

ちなみに、任意整理だと何故マイホームや車が没収されずに済むかというと、任意整理は整理の対象にする借金を選択できるからです。

整理する借金を選択できるということは、つまり、住宅ローンや自動車ローンを整理の対象から除外することができるので、結果的に没収を免れるというわけですね。

妻や会社にばれたくなかった

Aさんは、FXで借金を膨らませてしまったことを奥様に内緒にしていました。

新婚夫婦で、ましてやFXとなると気持ちは痛いほど分かりますね。

まぁ、奥様には言いづらいことでしょう。

もちろん、会社にも債務整理をすることはばれたくないと考えていました。

社内で気まずくなりますからね。

そして、Aさんのこの希望を満たすには、任意整理しか選択の余地がなかったのです。

もし、個人再生や自己破産を選択してしまうと、官報という国の新聞のようなものに載ってしまうため、会社にばれる可能性があったのです。

官報は基本的には目を通す方は非常に限られているのですが、Aさんは警備会社に勤めていたため非常にばれる可能性が高かったのです。

どういうことかと言うと、警備会社や金融関係、法律関係などのごく一部の企業に勤めている方は、官報に目を通す習慣があるという点から、個人再生や自己破産は非常にリスキーであると考えたわけです。

また、もし個人再生や自己破産をしてしまうと、車やマイホームが没収されるので、奥様に内緒にしておくのは至難の業でしょう。

これらのことから、必然的に、官報に載らず、財産を没収されない任意整理にたどり着いたというわけですね。

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「どのカード会社から」「総額いくら」「いつから」借り入れているかによって、任意整理によって分割できる回数は変動します。自分は任意整理するとどうなるか詳しく知りたい方は無料3分診断をご利用ください。

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まとめ

500万円の借金を解決するためには、任意整理・個人再生・自己破産のいずれの手段も考えられます。最もデメリットが少ない任意整理で解決するためには、毎月8万3千円を返済する能力が必要であり、難しければ個人再生・自己破産を検討せざるを得ないでしょう。また、手放したくないローン中の車・バイクを持っていたり、保証人付き借金がある場合は、任意整理を選択することが望ましいでしょう。

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執筆者情報

司法書士・行政書士 山口 広樹
司法書士・行政書士  山口 広樹

横浜市出身で司法書士・行政書士15年目。
かながわ総合法務事務所の代表。
債務整理や過払い金請求を専門にし、累計の解決実績5000件以上。

・司法書士(神奈川県会2376号)
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